国語ワークショップ研究会に参加した

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 8月13日(火)〜14日(水)と1泊2日で国語ワークショップ研究会に参加してきた。今回は軽井沢に移住したメンバーの慰問&研究会ということで,1泊2日で軽井沢を会場に開催された。会場は軽井沢町中央公民館。軽井沢町だからなのか,なかなか風情のある外観であった。

 今回は13名の参加者であった。この研究会の主要メンバーがほぼ集まった。メンバーの紹介で参加した新人も1人いた。私のように2年ぶり3回目(甲子園みたいだな)の者は他にはいなかった。メンバーが所属する校種も多岐にわたり,私立小学校,私立中・高校,私立高校,市立中学校,短大,大学,である。

 この研究会は,メンバーがそれぞれの実践を持ち寄ったり,前期での実践を報告したり,論文や原稿などの草稿を持ち込んでアドバイスをもらったり,という感じである。一人ひとりが30分〜1時間くらいで発表し,アドバイスを言い合う。普通の研究会では批判やら沈黙やらが飛び交うのが通例だが,この研究会はそうしたことがない。皆,メンバーの一人ひとりがすごい実力の持ち主であり,また,お互いそのことをリスペクトしているせいか,一人ひとりは受け入れられ,どんな発言も受容される。そして,それらのアドバイスが発表者にとって大きなヒントになり,問題解決のきっかけをつかむ。また,様々な情報が提供され,それらは他のメンバーによって使われる(許諾はもちろん得ますが)。私もかつて参加した時に得た情報で,1つの教材を使わせていただいている。非常に密度の濃い,それでいてアットホームな感覚を持てる稀有な研究会だ。

 今回,私自身は先の全国大学国語教育学会で発表してきた内容を論文にまとめたものを持参した。それを揉んでもらうとともに,薄々感じていた今後の研究方向の行き詰まりに対してアドバイスを得たいと思っていた。メンバーからは論文そのものをより受け入れやすくするためのアイデアをいただいた。また,研究の方法にある問題点をズバリと指摘し,その解決策も教えていただいた。その問題点は私自身も感じていたことではある。私は,研究結果の分析方法として量的研究を用いる。統計的手法を用いてアンケート結果を分析するのだ。しかし,量的研究を行うためには実践の条件をかなり厳密に揃えておかないといけないことを改めて教えられた。しかし,それは私の実践理念に反する。そうすると,やはり学習者の声を聞き取る質的研究の手法を取っていかなければならないようだ。

 質的研究は,無論その重要性は知っていた。しかし,とっつきにくさがあり敬遠していた。どうやらそうも言っていられないようだなぁ。また,私のような初心者でも取り掛かりやすそうなSCATという手法を教えていただいた。それに関連する本を早速注文した。やはり,この方向を今後は探っていくべきなんだろうな。

質的研究の考え方―研究方法論からSCATによる分析まで―

質的研究の考え方―研究方法論からSCATによる分析まで―


 そして,読み聞かせの方法を拡張し,読み聞かせの可能性を追究するとともに,それを普及していくという私の研究テーマの実現にとっても,質的研究によって一つ一つの読み聞かせ手法の有効性を証明していくことは,意味のあることだろう。そうした積み重ねによって,何かしら日本の教育に貢献ができるかもしれない。

 まずは,考え聞かせから取り組もうか。考え聞かせの実践をふりかえり,その際の学生の感想を見直して,これを質的研究で分析できるかどうか試してみよう。そこから,まずはスタート地点にできるようなまとめができれば良いのではないだろうか。

 今回の研究会に参加して,私自身はそんなことを得た。

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メンバーの一人が紙カップに描いてくれた似顔絵。似てる〜