リレー物語はやはり面白い

 今日の1年生の授業は教養Ⅰ(国語)である。この授業は通年の授業だが、今年も年間を通してライティング・ワークショップを行う予定である。昨年の実践は、ライティング・ワークショップのつもりでスタートしたのだが、どうやらほど遠い内容になってしまった。今年はその轍を踏まないよう、周到に準備している。
 しかし、第2回の今日は、昨年と同様「リレー物語」を書かせた。このリレー物語は私の持ちネタの中では鉄板のものである。学生に物語の出だしの部分を書かせ、その紙を次の人へ渡す。そして、自分のところに回ってきた前の人の書いた出だしを読んで、物語の続きを書く。これを次々に続けていって、物語を完成させる、というものである。昨年はこのやり方に工夫を加え、8回で完結させるようにした。そこに「物語の構造」の説明を加え、物語の構造を意識させながらリレー物語を継いでいく、という形にしたのだ。今回もそのやり方をそのままやってみた。昨年もそうだが、今年も成功したようだ。
 学生は、最初の出だしを考えるのには苦労していたようだが、回が進むごとに次第に真剣になっていき、自分の前に回ってくる他の人たちの物語の続きを書こうとどんどんのめり込んでいく。そして、8回が終わって物語が完成し、逆回しに紙を戻して自分が書き出した物語がどんなものに変容していったのかを確認するときになると、もう興奮の渦である。彼らの書いた中から1,2作品を私が取り上げて読み上げた。今年の学生の作品は一段と良い出来だったようだ。しっかりした物語の構えを見せている。
 学生の感想も、リレー物語は楽しかった、最初は難しそうだと思ったがやってみると夢中になった、等を書いてくれていた。ひとまずこれで、この授業への興味を持ち、文章を書くことの楽しさを味わい、ひいては来週以降のライティング・ワークショップの授業へスムーズに進んでいってくれることを願っている。