『ギヴァー』のブッククラブの授業の準備

 非常勤で教えている短大での授業は、ここしばらくブッククラブを行っている。読ませているのはもちろん『ギヴァー』である。明日の授業で4回目になり、これで最後まで読み終えることになる。
 今回は、ミニレッスンとして「優れた読み手が使っている方法」を取り上げ、その内のいくつかを教え、試させている。取り上げたのは「関連づける」「イメージを描く」、そして明日は「推測する」だ。本当は「何が大切か見極める」や「解釈する」「批判的に読む」なども取り上げたいところだ。しかし、「何が大切か見極める」のレッスンは、ノンフィクションを読んでいるときに一番効果的にレッスンすることができると思われたので、今回はパスした。他の2つも、余裕があれば取り上げたいが、時間切れだ。それに、何よりもこの授業は「国語表現法」であり、「読む力」を主に育てるものではない。とはいえ、「読む力」も「書く力」も密接につながっているのだけれどね。ともかく、より直接に「書く力」をもっと伸ばさせたいところなので、涙をのんでミニレッスンの内容を精選した。
 こうして、授業を一から創り上げるのは面白い。当然、取り上げる全てが連関し、全てが目的に向かって進めるものとなる。今回も、残っていた7つの方法からどれを取り上げるか、そして、そのレッスンの方法として何が適当か、学生の現況を何よりも参考にしながら、考え、計画した。また、それが功を奏するかどうかも、自らに跳ね返ってくる。そうした一切が自分自身の頭と手によるのだ。そのために、もちろん時間がかかる。今日から実習がスタートし、時間に余裕ができたので、今日の午後の時間は明日の授業の準備に捧げることができた。しかし、そうした時間的な余裕がなければ、到底できない相談である。
 教員が忙しいとろくなことはない。特に、何にしわ寄せが来るかというと、授業に、だ。一般的に今日の教育の現場では、教員にとって一番大切な授業が、最も疎かになっている。こうして大学に来て、授業を一から創り上げることをほぼ毎日行っていると、そうしたことが痛感される。制度的に、根本から見直すべきだと思うけれどね。