ライティング・ワークショップ2回目

 10月8日(水)に「国語」の授業がありました。そこでライティング・ワークショップの2回目を行いました。
 この回のメインは授業内の小グループを組ませることです。130名の学生の捜索活動を教師1人がサポートできるはずがありません。そこで、授業内で小グループを組ませ、さらにそのグループにラーニング・アシスタントを置いて、活動の統率単位を小さくすると共に、私以外にもサポートする人を増やそうと考えたわけです。このグループの組み方で、私には心配がありました。私は10グループくらいにしたいと考えており、そうすると1グループは13人前後になります。このグループを彼らが組むことができるかと心配しました。
 実は、授業内に小グループを設けようと発想したのは、本学の「ゼミ」のことが元になっています。本学では1年生から「ゼミ」に入らせます。しかし、2年生は比較的自由にゼミを選ぶことができ、また週1回「ゼミ」の時間があります。しかし、1年生の場合は学籍番号順に13人ずつグループを組まされ、しかもゼミの時間は設けられません。アドバイザーとして教員が1人ずつ割り当てられますが、いわばそれだけの単位です。私はそれはもったいないことだと思っていました。大学・短大の醍醐味はゼミ活動にあると思いますので、この「国語」の授業の中でゼミ活動をさせようと考えたのでした。
 ですので、せっかく「ゼミ」として13人ずつのグループができているのだから、そのまま授業内でもグループにしたらどうかと思っていました。そのように学生に提案し、同時に、自由にメンバーを選ぶ方法もあることを呈示しました。そして、学生にどちらの組み方が良いかを問いかけました。まわりの学生としばらく話し合わせた後、とりあえず手を上げさせたところ、ゼミのメンバーでグループを作っても良いと答えた学生の方が多かったのです。
 私も、その方がスムースにグループを組むことができると考えていました。と同時に、学生の考えを最優先したいとも考えていました。そして、彼らに責任を持たせるのがこの授業の眼目だと考えていました。そこで、「一番良いのは自由にメンバーを選ぶことなのだ」と言ったところ、「それならそうすれば良い」という学生がいました。その声に後押しされて、自由にメンバーを組ませることにしました。
 それから10分間、学生自身にメンバーを組ませ、人数を調整させ、その中でラーニング・アシスタントを決めさせました。最終的には、メンバーの人数を13人前後と規定していたのにそれを守らないグループが出てしまったものの、学生たち自身でメンバーを決め、人数をある程度調整し、ラーニング・アシスタントも選ぶことができました。グループの人数は、後で考えてみればどうしても13人前後にしなければならない理由もないことに気付き、結果的に学生の決めたことのままで良いことになりました。いやはや、学生の自由に決めさせて良かったです。もし、ゼミのメンバーにしようと私が決めてしまったならば、学生自身で授業を作りあげるという、この授業の眼目が早速損なわれてしまうところでした。学生のふりかえりにも、メンバーを自分たちで決めることができてすごいと思った、というものがあり、学生たちも評価していることが分かります。
 危ういところもありましたが、ライティング・ワークショップの授業は何とか船出をしたようです。そして、教師の意識を変えることの難しさを改めて自覚させられた授業でした。