模擬授業を行いました

 私の勤める学科には時々、高校から模擬授業の依頼が来ます。今日は新潟市内のある高校が本学科に見学に来て、その一環で模擬授業を行ってほしいとの依頼がありました。そこで、私がその模擬授業を行うことになりました。久しぶりに高校生を相手にした授業です。緊張しながらも楽しく授業を行いました。
 対象は1年生で、みな幼児教育に何らかの関心がある生徒たちです。48名の生徒を相手に、「子どもの言葉の不思議を探る」というタイトルで40分の授業を行いました。
 内容は大きく2つあります。
1.子どもがおしゃべりをする理由を考える
 2ヶ月と4ヶ月の幼児がクーイングや喃語を話している映像を見せ、この子どもたちがこんなにおしゃべりする理由を考えさせました。
 実は、この映像にはこの問題を考えるヒントが隠されています。それは「子どもを見ている大人がカメラのファインダーの向こうにいる」ということです。つまり、この子どもたちは自分を見ている大人に反応し、働きかけようとして声を発しているのです。このことから、子どもはコミュニケーション能力をすでに持っているけれど、それは大人が反応してこそ子どもの言葉の発達につながる、ということを確認しました。
2.2歳前後の子どもとの接し方を考える
 1歳8ヶ月の子どもが言葉をオウム返しに言っている映像を見せ、自分が保育士だったらこうした子どもにどのように接するかを考えさせました。
 この映像を見ると、この問題を考えるにあたってのヒントがあることがわかります。それは「抽象的言語を使うのには個人差がある」ことと、「子どもはすぐに飽きる」ということです。それを踏まえつつ、養育者としてどのように積極的に子どもに接したらよいかを考えさせました。
 これら2つのワークで、ファシリテーション・グラフィックを用いました。生徒には4、5人のグループになってもらい、模造紙とマーカーを配って、自由にメモ書きをしながら話し合いをするようにさせました。おそらくは初めての手法に最初は戸惑いながらも、生徒たちは次第にワイワイと話し合いをし合い、模造紙にメモを書いていました。
 2つ目のワークでは「歌遊びをする」「笑顔で接する」などの考えを生徒たちは書いていました。ちょっと問題設定が難しかったかもしれません。私の予想よりは話し合いが停滞していたように感じました。
 授業後に書いてもらった感想をいくつか紹介します。

授業を受けてみて、言葉の不思議について興味があってとてもためになりました。話しあったりしてみて、色んな人の意見が聞けたしよかったです。これからも頑張りたいなと思えるような授業でした。

視野を広く持たなければいけないんだなあと思った。子どもによって対応が違うので、自分の親も大変だったんだろうなあとも思った。

模擬授業を受けて、とても楽しかったです。生まれてから2ヶ月目の赤ちゃん、4ヶ月目の赤ちゃんの動画を見ていろいろ気づくこともあったし、先生のお話を聞いて学べることがたくさんありました。将来保育士になれるように今から努力して頑張りたいと思います。

幼児に対する興味・関心がもっと湧いた。数ヶ月番うだけでもずいぶん見た目や心まで変わっていた。周りの大人たち次第でその赤ちゃんの成長の仕方も大きく影響していることが分かった。

 概ね好意的な感想をいただけたようで、私も嬉しく思います。また、私が意図したこと以上の気付きをしてくれた生徒もいたようで、大変嬉しいです。こうした気づきをもっと交流出来たら良いなと思います。