卒業式

 今日は勤務校の卒業式であった。3年生が旅立っていった。
 彼らは私がこの高校に昨年4月に赴任して、初めて担当した学年である。しかも副任を勤め、私はこの3年生にしか授業に出ていない。いわば、今年1年の私のエネルギーの大半を注ぎ込んだ学年である。その彼らが卒業していった。なかなか感無量である。
 8クラスのうち6クラスを担当した。あるクラスは週3時間、あるクラスは週2時間、顔を出して現代文や古典を教えた。また、センター試験後は二次対策演習を担当した。そして、推薦や看護学校の小論文指導や二次試験の個別指導を担当した。様々な機会で、彼らと付き合い、彼らを教えた。かなり濃密な時間をともに過ごしたと言っていい。
 そう考えると、彼らへの思い入れは意外と深いのだなぁ、と思う。あまり自覚はなかったが、こうしてともに過ごしてきた1年間を振り返ると、彼らとの関わりの深さを改めて思い知る。そして、良い生徒たちだったと改めて思う。
 本当に素直で真面目な生徒たちだ。こちらの指示や教えに素直に従い、努力する。その努力が実を結んで成果を上げた者もいるし、志望を変更した者もいる。ともあれ、彼らの高校での3年間が終わり、この熱い1年間が終わった。正直、もっともっと燃えるべきだと思っていたが、彼らは彼らなりに努力し、苦しんだのだろう。今はその戦いを称え、労いたい。
 最後のLHRで5組の諸君に挨拶をさせてもらった。4月当初に、先輩である彼らにいろいろと教えて欲しいと依頼し、それに応えて私をサポートしてくれた彼らである。おかげで少しずつ慣れていき、私も何とかこの1年を終えることができそうだ。LHRの後でクラス写真撮影に同席させてもらえた。また、男子有志と女子有志から記念品をもらった。この思いやりを心からありがたく思う。高校生たちの、人の、この思いを受けることこそが、教師という仕事の醍醐味である。
 卒業した3年生諸君の今後の人生が幸せなものであるように、心から祈る。卒業おめでとう。