9年間の最後の一日

 今日は3月31日。2012年度の最後の日である。そして、私が新潟高校の職員として在籍できる最後の日でもある。今日この3月31日の午後12時までは私は新潟高校の職員であり、4月1日の午前0時をもって私は新発田高校の職員となる。日付が変わると共に所属が変わる。それの重たい意味を、今日になって初めて知った。今までは当然だと思うと共に、何か大きな歯車がカチリと音を立てて回るのだろうなと想像していた。だが、それも我が身に直接関わることではなかった。今日は、まさしく我が身がその歯車の回転と共に所属が変更される。相変わらず寂しく、深い喪失感に囚われ続けている。
 だが、いつまでもそれに打ちひしがれているわけにはいかない。今日は日曜日なので、集会に一日出席していた。日曜学校、パン裂き集会、昼食・清掃を挟んで午後の伝道集会とあった。今日は朝から頭痛がして、体調は思わしくなかったが、何とか回復してきた。わずかばかり伝道集会で証しもできた。今までサボっていた分、これからはしっかり頑張らねば、と思う。
 その後、白山駅に行って、人生で二度目の「定期券」なるものを購入した。私は高校時代に一度だけバスの1ヶ月の定期券を買ったことがある。だが、あのバスのギュウギュウ詰めの人だかりにほとほと嫌気がさし、それ以降は3年に卒業するまでずっと自転車で通った。雨の日はもちろん、吹雪の日も、台風の日も、たとえ道路が凍結していても、ずっと自転車で登校した。だから最近、冬になって地面が凍結すると自転車登校しないようにと生徒指導部からお達しが出るが、私はそれに反対である。満員バスがどうしても体に合わない生徒もいるのである。そうした生徒の存在も考慮して欲しいものだ。ともあれ、それ以来一度も定期券なるものを買ったことがなかった。だが、新潟から新発田へと通う際には、様々な事情により電車で通勤した方が良いという結論に達した。そこで、人生で二度目の定期券を購入したのである。
 そうしたら、今は本当に進歩しているものである。SUICA定期券なるものがJR東日本にはあるのだ。そして、それがどうやら便利そうだと判断したので、自動発券機でSUICA定期券を購入した。いやはや、あっけないものである。さて、明日から新発田までこれを使って通うわけだが、本を読む時間が確保できそうなのが唯一の楽しみである。
 その後で私の実家に行って帰ってきて、ドタバタしているうちにいつの間にか午前0時を過ぎてしまった。新潟高校に赴任して以来9年間の、新潟高校の職員としての私が通り過ぎていった。再三繰り返すが、思い出は尽きず、名残は尽きない。いつまでも忘れることはないだろう。そして、この9年間の記憶は、いつまでも私の心を温めてくれるだろう。
 9年間、新潟高校の職員でいられて本当に幸せだった。
 ありがとう。