KJ法とGTAの可能性は…

 今日の夜、久しぶりに「にいがたファシリテーション授業研究会」の研究会に参加した。場所は新潟青陵大学。19時から21時30分くらいまで、久しぶりの面々と会い、またファシリテーションの面白さに触れた。
 今回の内容は、新潟青陵大学のお二人の先生による発表であった。お一人は大学初年度のキャリア教育において、KJ法を用いてグループ作業を学生に行わせることで、学生のコミュニケーション能力が高まったとする発表であった。あとで詳しく話を聞くことができたが、KJ法を用いたグループ作業の中で、あえてグルーピングの項目数を最大3つに限定することで、個々の意見の際について話し合いをすることが促されたとし、その中で、自らの意見を出すとともに、その意見の差異について他者の話を傾聴する態度も促されたという。KJ法を用いることによって、話すことだけでなく「聞くこと」、相手の意見に傾聴することが養われたそうだ。これは面白いと思った。「話すこと・聞くこと」がKJ法で養われるとともに、コミュニケーション能力の大事な要素が「聞くこと」にある点も理解を深めることができた。
 もうお一人は養護教諭へのインタビューを通して、事件に対するより良い対処法を模索する中で、改良版グランテッドセオリーアプローチを用いた例を紹介してくださった。このGTAは、質的研究法として有名で、その重要さは学んでいく中でよく分かっていたのだが、具体的にどのようにするのかがよく分からなかった。そのあたりがある程度理解することができた。さらに、そのGTAでの分析は理論を構築するのに有効で、その理論を検証するために、次には量的研究に移行し、GTAによって得た理論に基づく質問紙を作成して、その結果を統計分析ソフトウェアで解析した様子も示していた。また、より厳密な分析方法も示していた。質的研究法の一端を知ることが出来、興味深かった。
 今回はファシリテーション・グラフィックが主な対象ではなかったが、それに類するものが紹介され、応用の可能性を感じた2時間だった。やはり研究会はいいね。良い刺激を受けることができる。