文脈をたどることの重要さ

 昨日は随筆、今日は評論の問題を演習授業で扱った。この2分野は、これまで毎回準備が大変だった。何しろ自分自身が文章を理解することができず、それを解説することの苦しみをなめ尽くさなければならないからだ。しかし、この2回は、その苦しみが少し軽減された。というのも、文章を読む際にあることを心がけて行ったからだ。それは、実は何でもない。私自身がずっと教え続けてきたことである。

  • 接続詞に注意し、接続詞が出てきたら○や△で囲んで、その前後のつながりを確認する。
  • 傍線部の箇所に来たら、傍線部だけでなく、その前後の文脈のつながりをたどる。
  • 傍線部の説明(内容説明・理由説明)に必要な要素を先に想定し、それからその要素を探しに行く。

評論の問題を解く際に、このような解法を実行せよとさんざん生徒たちに教えてきた。しかし、この演習授業を準備するにあたっては、そのやり方を自分自身が忘れてしまっていたようだ。今回、その方法をもう一度思い出して、それらを応用しつつ文章に傍線や波線を引いたり、キーワードを○や□で囲んだり、言い換えの部分は線でつないだりしていった。このことをしてから問題の解答を自分なりに考え、それを解説と照らし合わせていった。むろん、完全な解答などできやしない。でも、その解答が出てくる道筋が自分なりに理解できるし、自分の解答の足りないところの理由も、それを含むべき理由も、自分なりに理解できた。このように自分で理解できれば、それを解説することは比較的簡単である。
 実は今日の解説プリントは、昨日は子どもの授業参観などで昨日中に作成することができず、今朝早く起きて作ろうと思っていた。しかし、疲れていたせいか、すっかり寝込んでしまい、早朝に作ることができなかった。そこで、学校に行って、授業がはじまる前の2時間でプリントを作成し、しかも自分でそのプリントに説明すべきメモも書き入れた。評論を扱う際に、こんなに早く解説プリントを作ることができたのは初めてだ。やはり、自分なりに、曲がりなりに、文章を理解できているからだろう。
 文章というのは文脈がある。文章の流れ、文同士のつながりなどである。そこに筆者の主張は宿る。問題は所々に傍線が引いてあり、解答する際にはついその傍線部のみに目が行きがちだ。そして、その傍線部を説明する部分にすぐ意識を飛ばしてしまう。だが、その傍線部も文脈の流れの中にある。まずはじっくり傍線部の意味を把握し、その言い換えとなる部分を探したりして、説明を求めていくべきである。難解な文章ほど、そうすることが必須だ。難解な文章は各文の抽象度が高い。だからこそ傍線部の箇所の理解、その前後とのつながりが重要なのである。そのことを改めて確認させられた。
 『ソードアート・オンライン』シリーズの読書は、続いて「アリシゼーション」シリーズに進んだのだが、その世界観のあまりの違いに拒絶反応を起こしてしまっている。これは、今までの話の流れとはずいぶん違う世界の話だ。そこで、一度読むことを中断し、「プログレッシヴ」シリーズに切り替えている。いやはや、仮想世界の話のものだから、何でもありなんだなぁ。