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随筆の難しさ

 今日の演習授業では、東大文系の第4問に相当する随筆の問題を取り上げた。使っているのはK社の東大模試の過去問だが、その結果データを見ると、随筆の平均点がやたらに低い。他はそれでも2桁の平均点だが、随筆は1桁である。取り上げている文章は随筆の中でも比較的論理的に展開しているものだが、それでも分かりにくいところはあるのだろう。
 私は、随筆を「筆者の主張を、筆者が暗黙のうちに前提としている根拠をもとに述べる文章」だと捉えている。すなわち、筆者の主張はちゃんと根拠がある。ただし、それはしばしば暗黙のうちに前提とされており、本文に明示していない。そこで、筆者の主張について述べるためには、筆者の暗黙の前提を推測し、それも踏まえて答えなければならない。そこに難しさがある、と思う。だが、そういうものなのだと認識すれば対処の方法があるだろう。要は、そのようなスタンスで随筆を読もう、ということである。読者のスタンスの取り方によって、文章から受け取れる内容が変わる。これは読者反応理論そのものだ。
 取り扱った問題文は、そうした暗黙の前提が比較的分かりやすいものだったから、解説にはあまり苦労しなかった。ただ、解答にまとめようとすると大変だけれどね。
 明日は再び評論の問題を取り上げる。明日からは、時間内に問題を配付し、時間内で解いて、残り時間で解説するという方法をとろうと思っていた。しかし、生徒にそうした方法についての是非を尋ねたところ、評論・随筆については今まで通り自分で解いてきて、解説をじっくり聞きたいという希望が多そうだった。そこで急遽方針を変更し、明日配る予定だった問題を配付した。いやはや、先に印刷しておいて良かった。
 ということで、明日取り組む評論の解説をまとめているのだが、いやぁ、これが難しい! 「死にゆく生」に対することの意味を考える文章である。言っていることは何となく理解できるのだが、何しろ抽象度の高い語彙を使っているし、解答としてまとめようとすると非常に難しい。生徒の奮闘ぶりはどうかな?