方略指導を明言した夏期講習

 今日より3年生の前期夏期講習が始まった。土曜日までの5日間である。セットメニュー方式で、文系は英・数・国・社のハイレベルコースとミドルレベルコース、理系は英・数・理・社のハイレベル&ミドルレベルコースとなっている。4つの科目から3コマずつ選ぶ。私は文系国語のミドルレベルコースの2クラスを担当している。内容は古典である。センター試験形式の基礎問題集を使い、古典を読む際の基礎をしっかり確認させよう、というわけである。センター形式の問題を練習させるのではなく、古典文法や古典語彙、漢文句法などの知識をしっかり確認させるという目的のために、その自分の弱点を洗い出すために、センター形式のベーシックな問題集を用いる、ということである。良い考え方だと思う。記述式問題を解くためには、基礎の確認以外に解答の作成法という別のスキルの練習が必要だからだ。その点、センター形式問題は解答作成法は関係なく、基礎の確認に集中できる。もっとも、センター形式の解き方という別の要素が混入しやすいのが難点だけれど。
 さて、その指導に当たって、私は生徒に古典を読む際の読解方略を教えようと考えた。読解方略というものがあり、それの種類・方法を明確に示し、その有用性を確認させる。それを前面に打ち出そうと考えている。思い返してみれば、私が3年生の夏期講習を担当するとき、いつも読解の方法を生徒に示していた。それを「方略」とは呼ばなかったものの、読解する際の考え方を教えていたのである。よって、私自身それを「方略」と意識して扱っていこうと考えた。そして生徒にも「読解方略」と明言して指導することにした。
 今日扱った読解方略は以下の5つ。

古文の読解方略

  1. 和歌を含む文章における和歌の解釈には、和歌の前後の文脈から和歌の主題を推測する。
  2. 心情説明や理由説明問題の際は、直前の「已然形+ば(原因・理由)」の箇所を根拠とする。

漢文の読解方略

  1. 解釈問題の際は、句法の訳し方を踏まえた選択肢を選ぶ。
  2. 漢文の二項対立構造に着目し、対立する概念や人物を○と□とで囲い分ける。
  3. 訓点問題の際も、句法の読み方をまず想定する。

 講習ではこれに加えて漢文の句法の確認ドリルを10分間行った。そのせいで、上の方略に基づいて問題を解くことの解説に充分時間をかけることができず、駆け足の説明となってしまった。うーん、あれでは生徒の理解はおぼつかないだろうなぁ。明日以降、時間の使い方を再考しよう。