和泉式部日記で敬語の確認をする

 今日の授業は1コマのみ。理数科の古典である。採点が間に合わなかったため、通常授業を行う。このクラスは先週も授業があったため、今日は和泉式部日記の内容に入っていく。
 3学年の国語科では、この7月を「古典文法・漢文句法・古語単語強化月間」と位置づけている。これらの3つの分野の基礎をもう一度しっかりと確認して、今後の問題演習に憂いなく取り組んでもらおうというのである。そこで、授業でもそのことを意識し、古典文法を生徒が本当に理解しているかを確認できるような内容を盛り込んでいる。
 今日は和泉式部日記の教科書本文をプリントにしたものを配布し、そこから敬語を見つけて線を引くように指示した。私が良くさせるように、尊敬語は傍線、謙譲語は波線、丁寧語は点線を右横に引くようにさせるのである。教科書の文章には敬語が全部で38語ある。助動詞も含んでいる。それらをまずは見つけさせ、次に隣の友人同士で作業を確認させるようにする。その後で、判断の難しい5箇所を抜き出して板書し、それについて詳しい解説をした。この本文には下二段活用の「たまふ」が1箇所ある。しかもそれがウ音便化して「たまうらるれば」という形になっている。これを判断するのは極めて難しい。そこで、生徒にはまず下接の「らるれ」に注目させ、この助動詞が何形接続であるかを確認させた。助動詞「らる」は「四段・ナ変・ラ変以外の動詞」の未然形に接続する。おおっと、これでもう判定できるではないか。たとえウ音便化していても、「らる」が下接していることでこの「たまう」は四段活用ではないことが分かる。よって、これは下二段活用、つまり謙譲語である。
 こうした説明を残り4つについても行った。文法はこのように、基礎・基本を組み合わせて考えることでちゃんと正確な理解につなげることができる。確かに文法は強力である。
 そんなこんなで授業を楽しんでいる。