前期中間考査1日目

 今日から来週水曜日まで中間考査が行われる。今日は現代文・リーダー・数学の3科目だ。
 いよいよ現代文の試験が行われた。試験範囲の1つはもちろん「舞姫」である。残念ながら、私が力を込めて教えたようなことを直接試験に問うことはできない。何しろ、かなり大胆な推測をしている箇所が多いからね。もちろん、その推測が正しいという自信はある。しかし、そこが共通テストの泣き所で、私が教えたことを他の教員が教えているとは限らない。無論、共通して理解できることは教えるが、大胆な推測の内容まで足並み揃えて相談するわけにはいかない。それは一人一人の教員個人の個性にも基づくことだしね。そこで、いきおいある程度は無難な線での解答を想定した出題、ということになる。まあそれでも、私が推測して教えた様々なことを踏まえた上での解答を生徒はしてくれれば、十分に想定した解答になるように出題してある。誰が解こうと、どの教員に教えられていようと、問題はないはずである。
 ただ、やはりこの「定期考査」では生徒の「解釈力」と「記憶力」のみが問われるように思う。そして、読解に必要な力とはその2つだけなのだという間違った認識を植え付け続けている。同時に、教員もそう思いこまされている。読解方略は少なくとも6つ、吉田新一郎によれば9つあるのだ。それらをまんべんなく伸長させることが「読むこと」の指導である。であるならば、定期考査もまたそれらの読解方略をできるだけまんべんなく計れるように作成するべきだろう。
 しかし、かくいう私だって読解方略というものの存在を知ったのはこの数年なのだ。まして一般の国語科教員が読解方略などというものを知ることはないだろう。認知心理学ではもう20年くらい前に盛んに研究されていたのにね。認知心理学的見地はもっともっと現場の教育に活かされて良い。そうしないと、目の前の生徒たちの能力を極めていびつな方向に育成させていることに、教員たちは気づかない。
 私自身がその働きの一翼を担えれば、と願っている。