「舞姫」の授業:第4段落の読み取り3

 今日は現代文・古典・古典講読それぞれ1クラスずつ授業があった。定期考査が今週の金曜日から始まるので、どれも試験範囲を終えることができるかどうかが気になるところである。
 現代文は文系のクラスだった。前回、第4段落の質問2まで終わっているクラスである。質問3から始める。つまり「3.豊太郎が相沢の忠告を受けて、エリスとの関係を絶つと約束してしまうのは何故か?」と、「4.『我が地位』とはどんなことを指すのか?」である。結局このクラスも5番目の質問まで到達できなかった。これは次回が思いやられるなぁ。次回で小説の最後まで行かなければならないのだ。
 第5・6段落は取り上げる箇所を思い切り絞ってある。用意してある質問は2つのみ。その間の経緯は、時間の許す限り取り上げていこうと思っている。明日、文系のクラスでこの箇所を取り上げるので、内容は次回に。

読解方略を意識させた授業かな?

 古典の授業は「完璧帰趙」の終盤である。本校で使用している古典の教科書は大修館書店のものだが、この教科書では、藺相如が秦王に斎戒させている間に、璧を従者に持たせて趙に持ち帰らせたすぐ次に、いきなり相如が趙に帰っている。つまり、この間に省略部分があるのだ。これは、相如が秦王の前に出て、秦王が信用できないので璧を持ち帰らせたこと、秦が先に十五の都市を与えれば趙はすぐに璧を差し出すこと、それでも相如が秦王を欺いたことは間違いないので、釜ゆでの刑にして欲しいということ、しかし、このことを協議せよ、と述べる。秦側は協議の結果、相如を厚く遇して趙に帰す、というものである。釜ゆでが残酷だからかなぁ、あまり省略すべき必然性を感じないのだが。重要な句法もいくつかある部分なのに。
 そこで今日の授業では、ここに省略箇所があることを生徒に伝え、どんな内容のものが入るはずか想像させた。相如は秦王を欺いたのである。彼はどうなるかを考えさせたのだ。これは読解方略を働かせることである。これからのストーリーがどうなるか考える、というものだ。
 この方略を授業で扱うのに、教科書本文の省略部分を推測させる、という課題は使えるかもしれない。そして、生徒に考えさせたあとで、省略された原文を見せるのである。
 私は原文のプリントを配布し、さらにその重要句法をチェックさせた。使える課題である。