「舞姫」の授業:第2段落の読み取り その2

 授業は2つ、古典が1つと現代文が1つ。古典は「完璧帰趙」の音読をとにかくやらせている。
 現代文は理数科、「舞姫」の第2段落の読み取りである。このクラスの場合は単位数が違うので、文系と同一内容で行うわけにはいかない。そこで話し合いによる読み取りをやめている。でも、それ以外はできるだけ文系と同じ内容を扱うようにしている。
 今日はまず、内容理解の足りないこのクラス向けに、第2段落を生徒にじっくり読ませ、そこから内容に関して「質問する」ことをさせた。プリントを配布して、そこに思いついた質問を書かせた。15分間時間を取った。この作業にはある程度の十分な時間が与えられなければならないからだ。その後、それをすぐに回収し、その場で私が読んだ。生徒たちの大半は質問を出すことができたが、それでもほとんどすべてが予測しうる範囲の質問だった。つまり、私が昨日のblogで書いたような質問にほぼだいたいが集約できるものだった。若干派生的な質問もあったが、それもこちらが用意した質問を考えていく過程で自然と理解できるものが大半だ。安心してプリントを生徒に返し、私の用意した4つの質問のうち前半の2つを取り扱うことにした。
 昨日と同様に、豊太郎の「まことの我」と「我が本性」とが同一か、違うものかを生徒に問うた。でも、これはその場で読んでいてもなかなか分かるものではない。昨日の資料をすぐに渡して、二つが違うものであることを説明した。
 そして豊太郎の「まことの我」の解析に入る。まず、「まことの我」以前の「我ならぬ我」、つまり「所動的・器械的の人物」の内容を具体的に考えていく。豊太郎が「あだなる美観に心を動かさじ」と決意したのは何のためなのか、生徒に問い、考えさせ、指名した。なかなか答えられなかった。これは単純に本文から抜き出すだけなのにね。もう一度、今度は隣同士で確認させてから答えさせた。ようやく「我が名を成さんも、我が家を興さんも今ぞ」の箇所が出てきた。そこから一気に、豊太郎が封建的道徳観の下、国家と家のためにその能力を発揮し、自らの個を押さえつけていることを確認し、まとめていった。
 今日はここまで。4つの質問のうち2つを解決できたので、良しとしよう。2コマで1段落を終わるペースで進めていけば、何とか試験範囲を終えることができるだろう。