実力テスト第1日目

 今日と明日は3年生は恒例の実力テストが行われる。本校の教員が腕によりをかけて作成する、本校独自の実力テストである。今日は国語と地歴・公民、理科のテストが行われた。
 国語は100分間のテストである。評論・小説・古文・漢文の4分野から1題ずつ出題される。昨年は1年かけてこの問題を作成し、練り上げてきた。我々の自信作である。ということは、生徒にとっては見たこともないほど難しいものだろう。もちろん、まったく手が付けられないような問題ではない。今まで2年間教えてきた読解の手順や解答の作法などをきちんと踏まえていけば、ちゃんとまともな点数が取れる問題である。しかし、そもそもこのテストは平均点を40〜50点台くらいに抑えるように作成する。つまりは、難関大の入試問題と同レベルにする。3年初めのこの段階ですらすら解けるような問題ではない、ということだ。そうであっても、大切なのは「最後までしがみつく」ことにある。途中で解くのを諦めたらそれで終わりである。そうではなく、解き進めようという意志を持つことが大切である。
 少し採点をしてみたが、やはり古典の記述式問題を解答していない者が目立った。一言でも、一行でも書いてみれば、それで自分が変わるきっかけになるのにね。記述式問題を解答するとは一つの「発信」である。「自分はこの設問についてこう読み取った」という発信である。たとえそれが的外れであろうと、自らの思いを発信しなければ、自分が今ここに存在している意味がない。生徒にはさらにがんばって欲しいなぁ。
 その実力テストの最中、放課後には東京大学入試説明会が行われた。これは、予備校が開催した説明会に行ってきた本校の教員が、そこで得た知見も含めて東大の入試問題の特徴とその対策について本校の教員自身が生徒に説明する、というものである。3年前にはこんなことはやっていなかったなぁ。少しずつ指導体制も変わっている。OK! 変わることが組織を健全に進歩させるのだ。
 60名程度の生徒が参加した。これだけの数の生徒が参加して頼もしいと思うと共に、話の内容からするとこれだけの数の生徒だけではもったいない、と思う。それほど、本校教員が伝えた話の内容は有意義で、具体的で、またアドバイス性のあるものだった。英語、数学、国語と10分間ずつ話があり、文系・理系に分かれて文系は世界史、理系は化学の説明があった。どの話も東大の入試問題の特徴を良く分析しており、しかもそれを生徒に非常に分かりやすく説得的に伝えていた。さすがである。これなら某ベ社による説明会など必要ないと思われるくらいだ。ただ、教員たちもこの説明会のために気合いを入れて準備してきたのだろうし、我々はその説明会ばかりをしているわけではないから、常にこれだけのレベルを維持できるとは言えないだろうけれどね。
 生徒も熱心に真剣に聞いていて、傾聴力は大したものだなぁ、と思う。この傾聴力の程度がある意味学力の差になってくるのではないかな。人の話を聞かず、勝手に自分で判断する者ももちろん本校生徒の中にはいる。そうした生徒に限って学力はあまり高くはなさそうである。
 さて、来週からの授業の準備、実力テストの採点、図書館協議会の業務、大学院の課題などやるべきことは目白押しだ。一つ一つ、亀の速度でも前進していかねば。