平成24年度の始動

 仕事の上では今日から平成24年度である。新しい年度がまた始まった。今年は少し違う感じを持って勤務先へ向かった。私が今回異動しなかったのはややイレギュラーなことである。図書館協議会の方向先をさらに確立させるために私は残った。そうでなければ、今日この道を歩いてはいないはずなのである。人生というものの不思議な巡り合わせを思った。いずれにせよ、この勤務校での、そして母校での、最後の1年の始まりである。早々と感無量となった。
 新3学年の席に着く。新人たちの顔がちらちらと見える。また、新しい席での新しい風景も見える。やはり新しい年度が始まったのだと実感する。自席周辺の整理がまだ完全には終わっていない。その微調整をしながら、懸案の大会発表要旨集の原稿を書き始める。書ける時間はあと3日しかない。焦る。
 そして、午後には新3学年の企画立案スタッフが集まり、今年1年間の指導方針や計画を2時間半をかけて話し合った。全体方針、進路指導、学習指導、生徒指導の方面から計画が示され、意見交換がされ、調整が続いた。こうした話し合いが今年1年を形作っていく。結構、あっという間の時間だった。私は朝の読書の持ち方について提案するという仕事受け持つこととなった。3年目を迎えた朝の読書である。これを、3年生のあり方としてどのようなものにするか、思案のしどころである。しかし、こちらは原稿書きで頭がいっぱいで、なかなかこの仕事に振り分ける時間がない。難しい。
 最近、肩凝りがひどい。特に左肩が、右肩よりも明らかに上がらなくなってきている。左腕を真っ直ぐ上に上げるあたりから肩に痛みが走る。右肩はそんなことはないのにね。できれば整形外科に行きたかったのだが、時間に余裕がなくて断念する。
 こんな中、昨日は撮りためておいたこの映画を観た。

ルパン三世 - カリオストロの城 [DVD]

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 いやぁ、やはり良いね。何回観たか分からないが、時間をおいて観てみると、やはりその素晴らしさに感じ入る。もちろん、荒唐無稽な話なのだが、アクションとストーリーがその不自然さを完全にカバーして物語を強力に前に進ませている。文句なしの傑作である。
 この時代はカリオストロ伯爵のような明確な「悪」が存在し得た。しかし、もはやこうした単純な勧善懲悪イデオロギーは通用しない。事実、宮崎駿のアニメーションは、この後悪人らしい悪人は登場しない。どんな者でも悪になり得、またどんな者でも善になり得る。『もののけ姫』はまさにそうした人間観を前面に出している。この『カリオストロの城』のすぐ後に作られる『風の谷のナウシカ』にも明確な悪人は登場しない。
 『未来少年コナン』と『カリオストロの城』は善悪が明確な点で特異である。それが、私がこの2作品を順位付けできない特別なものとする理由があるのかもしれない。