梅田恭子展@新潟絵屋

 産みの苦しみのまっただ中、梅田恭子の作品展に出かけた。この作家とは少し個人的なつながりがあり、今回の個展があることを知っていたので、家族で出かけた。
 今回の作品は鉛筆画が中心であった。ボール紙に鉛筆、という形での作品。抽象画なのだが、その繊細な線に驚かされる。その線が幾重にも幾重にも重ねられ、一つの形を成り立たせている。なるほど「抒情的」という言葉がふさわしいような作品群だった。
 中に一つ、とても心惹かれる作品があった。他のものとは違い、縦の線と横の線とがあり、形に広がりがあるようなものだった。何故か、その作品がとてもチャーミングに思えて、しばし作品の前から離れることができなかった。何だろう、この感覚は。
 展示方法がまた素晴らしかった。会場の新潟絵屋という所は、昔からの古い町家をそのまま展示場にしたような所である。土壁と障子が柔らかく暖かな雰囲気を醸しだし、作品の鑑賞場所として暖かな雰囲気を提供している。展示場としては驚くほど狭いのだが、その狭さをあまり感じさせない暖かなところだった。確かこの会場は以前は近くの別の場所にあったのだが、道路整備の際に移転させたのかな、とてもよい感じになっている。
 個展を見に行くのは久しぶりだ。来週火曜日の聖書学び会の準備で、ここ数日ひたすら産みの苦しみを味わっているのだが、一時の休息を得たと同時に、ある意味同じ表現者のたたずまいを見て共感するところも多かった。やはり、行って良かった。
 梅田恭子オフィシャルページ http://umedakyoko.com/