卒業式

 今日は勤務校の卒業式である。また新たに3年生が巣立っていった。とはいえ、まだこれから後期試験があるし、生徒は学校に来る機会がまだまだあるのだけれど。とりあえず区切りの時、である。
 私は保護者の誘導・案内の仕事があり、式には途中から参加した。ちょうど在校生送辞が始まるところだった。我が2学年の代表が送辞を述べた。立派な内容だったし、何より彼の態度が素晴らしい。堂々としていて、語りかけるように心に染み入るように語ることができる。大した才能である。間の取り方も素晴らしい。
 その後の、3年生の答辞がこれまた素晴らしかった。女子生徒が代表として述べたのだが、文句なしに素晴らしかった。それは、内容が通り一遍の高校生活の思い出を振り返ったものではなく、これから進学し、社会へ出ていく者としての決意を述べたものだったからだ。勤務校の卒業生答辞では毎年繰り返し述べられる言葉がある。それは体育祭のことであり、修学旅行であり、文化祭のことだ。行事が生徒にとっていかに大事なものかを如実に示すのだが、聞いている者にとっては「それだけか?」と思ってしまうこともまた事実だった。しかし、今年の答辞ではそれらの言葉は体育祭が1度語られただけで、後はまったく触れられなかった。そして彼女は「責任」と「感謝」について述べた。それは、確かに高校生らしい等身大+αの表現だったけれど、かえって地に足の着いた説得力のある内容だった。
 その後の応援団にリードされてのエール交換と在校生の応援歌による卒業生退場も良かった。毎年、この場面は感動を覚える。本当にシンプルで、心のこもった、良い卒業式である。
 終わった後は書道部の卒業生お別れ会に参加する。2年生にとっては一番身近な先輩たちとの別れである。もう涙、涙であった。私ももらい泣きして、危うかった。本当に涙もろくなって困るなぁ。
 でも、良い1日だった。