ライティング・ワークショップを提案してみたが……

 そろそろ来年度のシラバスを作成する締切が近づいている。来年度はどうなるのか、まだまったく分からないが、とりあえず私は新3学年の現代文のシラバスを作成することになっている。そこで、文系の現代文でライティング・ワークショップを取り入れることができないかと思い、提案書を急ぎ作成して、同僚たちに提案してみた。私が提案したのは概略以下の通りである。

  1. 記述式問題の解答力、及び読解力の養成を目的として、ライティング・ワークショップを導入したい。
  2. 文系の現代文で週1回実施する。4月〜7月の前期のみの実施とする。約10時間程度の時間となる。
  3. 生徒に好きな文章を書かせる。小論文、小説、エッセイ、詩、何でもOK。10時間程度の期間中に完成作品を2つほど提出させる。
  4. 1コマは「ミニレッスン:10分間」→「ひたすら書く/カンファランス:45分間」→「共有の時間:10分間」とする。
  5. 評価は①完成作品(自信作) ②各時間の進捗状況 ③生徒の自己評価 を資料とする。

同僚に提案してみたが、残念ながら賛同してもらえなかった。理由は以下の通り。

  1. これは「記述式問題の解答力」を養成することにはならない。「記述式問題の解答力」はまた別の能力が必要なものである。(その通り)
  2. 教科書教材をやる時間がしっかり取れるのか? 週1コマ取ることによって、残り時間で教科書教材をちゃんと終わりきることができなくなる。(これもそうだろう。今でさえ、終わるかどうかドタバタしているのだから)
  3. 3年生という時期で実施するには、受験を意識している生徒・保護者にこれを行うことの意義をしっかりと伝えなければならない。だが、「記述式問題の解答力」には直接つながらないので、意義を明確に説明できない。(1が納得できるならば、その通りである)

ということで、玉砕してしまった。私自身もこれらの反対意見はどれも非常に良く納得できるので、それを上回るライティング・ワークショップの意義を主張することはできなかった。「国語力」を育成するにはこれが一番だとは思うのだけれどね。3年生でやらせようとするのはやはり無理なのかなぁ。
 ということで、今のところ撤退している。