『あなたがもし奴隷だったら……』

あなたがもし奴隷だったら…

あなたがもし奴隷だったら…

 昨年、仲間から教えてもらった絵本である。ずっと心にかけていたのだが、今年の夏に図書館協議会の連絡会で「読み聞かせ」を研修することになり、その本として使えるかと思って購入した。
 うーむ、一読して重たい本だ。その伝わってくるものが明確で強烈で、その訴えるものの重さが、またその重要さが、ずっしりと心に乗っかかってくる。
 絵のすばらしさと問いかける文章のすばらしさとが相まって、「奴隷であること」の想像力をかき立てられる。また、その奴隷を使役する者への想像力も要求される。そう、人は被害者にもなるが、容易に加害者にも転じる者なのだ。
 今自由であること、自分が自分の主人であること、自分が自分に対して責任を持つこと、その尊い意味が改めて了解される。繰り返し繰り返し考えさせられる。
 これは、高校生に読ませるといいかもしれない。上手に読み聞かせができればもっと良いだろう。ただ、読み聞かせをするには難しい本なのかもしれないな。
 重たい、でもとても大切なものをもらった気がする。