「枕草子」:古文の主語を見分けよう

 10組での授業。今日は北信越大会等への推戴式と体育祭の表彰式があり、その後で最後の連合LHRがある。そのため60分間の変則授業である。さらに授業変更があって、私はこのクラスのみであった。
 「枕草子」の「二月つごもりごろに」に本格的に入る。まずは簡単に音読の練習をした後、配布済みの基本確認プリントを使って、本文に出てくる敬語を確認させる。その際、敬語の知識を整理し、本動詞と補助動詞の見分け方について教える。その後、「枕草子」についての知識を便覧を使ってまとめさせる。
 そして、早速本文に入っていく。だが、この文章はいきなり主語があいまいになるのだ。「二月つごもりごろに、……」あたりはいいのだけれど、主殿司が「かうてさぶらふ」と声をかけるあたりから主語がコロコロと変わる。そのあたりを読んで、生徒に主語がどうなっているのか聞いてみた。案の定、生徒は「かうてさぶらふ」直後の「寄りたるに」が、主語が作者であることをすぐには理解できなかった。そこで、直前は主殿司が主語であること、「寄りたるに」には敬語が使われていないこと、その後に「宰相殿の……」とある宰相には敬語が必要であること、ここまでの部分で3人の人物が出てきているが、その中で敬意を払う必要がないのは二人であり、一人は主殿司、もう一人は……とまで誘導して考えさせた。それでも指名した生徒は答えられなかった。文章には当初から「作者」が存在していることに思いが至らないのだろう。そこで、クラス全体に隣同士で相談するよう指示し、その後で再び聞いてみたら、「作者」と答えることができた。やれやれ。意外に難しいところである。と同時に、生徒はこういうところで古文が読めなくなるのだなぁ、と思った。
 そんなこともあり、今週の土曜日に行われる土曜講習では、古文の主語を確定しながら読む方法を生徒に練習させようと思う。何しろ省略されている主語を補って読むことは、古文の読解には必須だからね。