「鴻門之会」が全クラス終わった

 10組と7組での授業があった。今日は、土曜日にあった体育祭の後片付け、大清掃があったため、授業は55分授業である。他の高校では一般的な時間量なのかもしれないが、本校独自の65分授業になれきった私には、55分授業はとてつもなく短い。しかも、古典単語小テストなどをやっているものだから、時間はあっという間に過ぎてしまう。本当に、他の高校に移ったらやっていけるのかな?  まあ、慣れの問題だろうが。
 授業は「鴻門之会」の樊噲が項王に対してその主張を述べ、項王が応えることができずに「坐せよ」という前後からスタートした。ここは、樊噲が「此亡秦之続耳」と言うのは何故か、という設問に加えて、項王が樊噲の主張が終わった後に何も応えなかった理由、そして、沛公が厠に行くという口実でまんまとこの窮地を脱することのできた理由を考えて欲しいところである。口語訳は簡単だが、裏で動いているドラマを推測して出来事をつなぎ合わせる作業が必要な箇所だ。
 だが、授業の残り時間から考えて、その3問をすべて生徒に考えさせるのは無理だと判断した。そこで、後の2つは私が説明することとし、最後に樊噲の「此亡秦之続耳」の意味を考えさせた。これも、考え方を説明した後、生徒に答える時間を与え、答えの確認はせずに私がまとめていってしまったが。
 この設問に答えるには3つのポイントを含めることが必要である。それも「此亡秦之続耳」の箇所をじっくり分析することによって、答えるべきポイントが3つあることが分かる。こうしたことを生徒には分かるようになって欲しいなぁ。
 第1のポイントは「此」が何を指すか、ということである。第2のポイントは「亡秦」とある「秦」が何をしたか、ということである。第3のポイントは「続」を「二の舞」と訳すが、そこをどう処理するか、ということである。まあ、第3ポイントは「AはBと同じだから」と示してやり、AとBに当たる部分を本文から探させたけれどね。それでも生徒には難問のはずである。本文を読み取って、それを適切に要約せねばならない。こう考えると、記述式問題に答える力は要約力なのだ、ということがよく分かる。
 ともあれ、これで3つのクラスすべてが「枕草子」に入ることができる。やれやれ、である。