「山月記」はいよいよ佳境に入ってきた

 9組での授業。昨日は5組において。どちらもほぼ同じ箇所を扱った。第5段落の、李徴が「胸を焼かれるような悔い」を感じて月に向かって吠える場面である。
 ここは次の箇所を発問にした。

  1. 「虎となった今になっておれはようやくそこに気がついた」の「そこ」とは何を指すか?
  2. 「それを思うと、おれは今も胸を焼かれるような悔いを感じる」のは何故か?
  3. 「おれの空費された過去」とは何を指すか?
  4. 「昨夜もおれは、月に向かってほえた」の李徴がほえる内容は?
  5. 「誰もおれの気持ちを分かってくれない」のは何故か?
  6. 「おれの毛皮の濡れたのは夜露のためばかりではない」とあるが、では何のため?

 最後の発問は言わずもがなだが、他の5つは本文をきちんと読み取って、その内容や理由を正確に把握して欲しい所である。
 しかし、今日の9組はあまり反応がはかばかしくなかった。生徒の解答が、もちろん的外れなものはないのだが、真芯をしっかりと捉えていないのである。結局、彼らの目が本文の表現から離れていて、頭の中で捉えている大きな流れにのみ沿って解答しているからだろう。
 本文の表現に基づいて考える、という訓練をもっとしっかりせねばならないなぁ。今回の「山月記」の授業はその点をずっと意識してやってきたのだが……。やはり、ワークショップで自分がやってみなければ身につかないものか。