「山月記」李徴の人となり

 5組での授業。いよいよ「山月記」の内容の読み取りに入っていく。まずは第1段の、李徴の人となりを確認する。
 これを行うにあたり、他の2クラスに提出させた「山月記」を読んでの疑問・質問を読み返してみた。すると、本当に鋭い質問がたくさん出ているのだ。そこで、これらの疑問の中から第1段の内容に関するものを3つ抜き出し、設問プリントを作った。そして、まずは生徒にこれを答えさせた。そして、解答について生徒同士で確認し合い、その後で李徴の性格について本文に即してまとめ、生徒に指名しながら確認していった。その過程の中で、先の設問プリントの解答が妥当であったかどうかを確認させようとしてみた。つまり、

  • 生徒による疑問を生徒自身で解き、自分なりの解釈を持つ

    ↓

  • 本文の記述を丹念に追い、そこから読み取れる解釈を引き出す

    ↓

  • 自らの解釈が妥当であったかどうか、生徒に確認させる

ということを繰り返していけば、少しずつ「小説を解釈するとはどういうことか」が分かるのではないかな、と考えたのだ。
 そのようにして実践してみたのだが、まずは用意した3つの質問のうち、今日は2つしか触れることができなかった。本当は第2段までプリントは用意してあり、全部で6つの質問を準備していたのだ。そして、できれば今日は第1段を終えたいと思っていた。丁寧に授業を進めたのかもしれないが、その分スピードは殺がれたね。
 また、生徒が最初にどのような解釈をしたのか、それを確認すべきだった。そうした上で、彼らの解釈がどの程度偏っていたのかを知ることができる。うーむ、失敗である。
 この形をもう少し洗練させて続けるか、それとも他の方法にするか、少し考えなければ。