東北関東大震災

 全く、言葉を失うばかりの毎日が続いている。ただただ、被災された皆さまへ心からのお見舞いを申し上げます。
 3月11日はまさに合格者発表の直前であった。午後3時から合格者を発表するということで、例年この発表は受験生の悲喜こもごもの表情を確認するために発表場所に赴くのを常としていた。ところが、今年は様々な要件でドタバタして、14時45分になってもまだ教務室にいた。そこへ知り合いから電話がかかってきて、その電話に出ている真っ最中に、それはやってきた。
 中越地震の揺れも経験したし、中越沖地震の揺れも知っている。だが、今回のそれは今までのものとは全く異質だった。大きい振幅の揺れがいつまでも続く。たいがいは長くても30秒くらいのものだが、今回は1分半か2分くらいも続いたような気がした。教務室に設置してあるスライド式本棚が左右に何度も行き来した。幸い何かものが倒れたわけではなかったが、その揺れは本当に経験したことのないものだった。
 校内の安全点検を行った後、15時15分に合格者発表を行った。喜びの声を上げる中学生や足早に帰宅する中学生で明暗が分かれる中、実はその時間あたりに命の明暗を分けた人々が多く存在していたことにはおよそ予想できなかった。果てしなく大きく、想像を絶する損失である。
 連日明らかになっていくその被害の甚大さをテレビで確認していると、本当に平穏な一日を迎えることのできた我々のこの幸せが、実は危機と紙一重の日々であることがよく分かる。東北地方で起こったことは、いつか我々の身に襲いかかるとも限らない。
 土曜日には生徒全員の安否確認を行った。また、今日は学校全体で黙祷を捧げるとともに、一日中電灯を消して、少しでも電力消費を押さえるよう努力した。こんな時に通常の授業を行っている自分が、何か絵空事のように思える。
 本当に、神様に祈るばかりである。