『小説・秒速5センチメートル』
- 作者: 新海誠
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2007/11/14
- メディア: ハードカバー
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しかし、切ない作品だなぁ。でも、映画のあの切なさに比べて、小説のラストはまだ救いがありそうだ。明里と貴樹がついに相手に渡せなかったラブレターの内容が最後に示されている。それを読むと、彼らがやはりお互いを心から愛し、支え合っていたことに気づく。それが15年前であったとしても、その思いの確かさは変わることはない。
そうだとすると、あのラストシーンの踏切での擦れ違いは別の意味を持ってくる。これでようやく、再び前を向いた貴樹のあのほほえみの意味が分かる。
映画を観た人は、ぜひこの小説を読むべきである。監督の意図がようやく分かってくる。まだ謎は残ってはいるが(例えば、明里と貴樹は何故文通をやめてしまったのか、など……)。