やっと期待していた効果が現れたかな

 3組と6組での授業。3組は全体の第5時間目、山場の部の前半まで読み進める。6組は全体の第4時間目。展開部の、下人が老婆に憎悪の心を燃やす場面までだ。
 正直言って、この「『羅生門』をグループで読む授業」は失敗だったかな、と思っていた。グループで読み進めさせているが、中にはいつまで経っても話し合いが活発にならないグループがある。活発に話をしているグループであっても、その内容の質をどうやって担保しようかと悩んでいたところだった。
 しかし、今日の3組の授業の後、生徒が提出した記録を読んでいると、私が本を読んでようやく理解し得た内容にまで、生徒たちがちゃんと到達しているのを見いだした。むろん、そのレベルまで読んでいるのは一、二人に過ぎない。しかし、私はそれらの意見をプリントにしてクラス全員に次の時間に配布している。したがって、そのような深い読みまで到達したことは生徒に知らせているのだ。あるいは、こうした他の生徒の読みを紹介し続けてきたことが良い効果を生んでいるのかもしれない。教員がどんなに深い読みを示しても、それは教室空間で圧倒的な権威を持つ教師が与える読みであり、生徒にはそれはただ受容するしかないものだ。しかし、他の生徒が読んだ内容ならば、素直に受け入れられるとともに、自分もそんな読みをしてみようと、これまた素直に思えるのではないだろうか。そんな効果を、この授業は挙げているのかもしれない。
 ふーむ、面白いね。そうしたことを、最後のアンケートで拾い上げられるようにしてみようか。