これはまるでライティング・ワークショップではないか!

 今日は教育実習生の研究授業を見学しにいく。私が4年前まで教えていた実習生である。美術の授業であった。美術の研究授業は、今までは途中から見に行ったことがある。しかし、最初に生徒にどのように指示するかに関心があったので、今回は最初から見た。
 正直驚いた。その授業の進め方に、である。この実習生の美術の授業は次のようにして行われた。

  1. 今日の作品製作の手順を説明する。題材は江戸時代の絵画の写真等を使ったコラージュ作品を作ることである。そのコラージュには、台紙の余白を活かして素材を貼る方法と、余白を残さないで埋め尽くす方法とがある。どちらを選んでも良い、とする。また、ある物語の一場面というスタンスで画面構成をするよう指示する。
  2. 生徒に制作をさせる。その際、机間巡視しながら生徒の質問を受けたり、技術アドバイスをしたり、作品の意図について質問したりする。
  3. 30分後に、クラス全員(19名)のミニ発表会をする。
  4. 仕上げと後片付けの指示。

 これの何に驚いたか。これは、ある授業と酷似した進め方である。そう、ライティング・ワークショップである。
 ライティング・ワークショップは次のようにして進められる。

  1. ミニレッスン:生徒に必要と思われる表現技法について説明する。ただし、それを用いるかどうかは生徒に任される。
  2. 作文:その間はカンファランスの時間。教師は机間巡視して、生徒の作品について質問をし、共感する。
  3. 発表:生徒を「作家の椅子」に座らせて、1人または2人くらいの作品を発表させる。聞いた者は発表者への「ラブ・レター」を贈る。

 この形と美術の授業の進め方は全く同じだ。しかも、表現技法を教えるが、それを採用するかどうかは生徒に任される点、カンファランスで生徒の作品を評価はせず、共感とアドバイスのみにしている点、最後に発表の時間がある点などはライティング・ワークショップの特徴をよく表している。なるほど、ライティング・ワークショップは芸術の授業なのだ。
 上條晴夫さんがご自分のブログで、「ワークショップは『工房』のイメージだが、ライティング・ワークショップは『芸術の授業』のイメージが近い」と書いておられた。まさにその通り。ライティング・ワークショップは芸術の授業である。
 であるならば、リーディング・ワークショップも似たように進むのかな。芸術の授業としてリーディングが進むのだろうか。面白そうだ。