「羅生門」をグループで読む授業

 3組での2時限目の授業。小説の構造分析を行う時限である。
 昨日の6組での失敗を鑑みて、3組では区切りの練習をさせることなく、小説の構造の説明をした後ですぐに「羅生門」の区切りをさせた。次のように展開した。

  1. (15分)まず、グループで相談しながら区切りをさせる
  2. (5分)場面転換について説明し、対抗する2つの勢力の出会いだけでなく、下人の位置について意識して、区切りの箇所を再検討するよう促す
  3. (15分)机間巡視して、クライマックスをいくつかの段落の範囲としていたのを見つけ、クライマックスは一点であることを全員に説明する。また、生徒から質問を受けたので、クライマックスは会話文であること、そしてクライマックスの後にも段落があり得ることを説明する

このように、見直しを何度もさせ、また説明も徐々に詳しくしていった。
 これらの結果、生徒に区切りの箇所を確認したところ、これでもまだ正確に確定はできなかったものの、だいぶズレを抑制することができた。特に発端(事件の始め)の箇所はほぼ間違いなかった。一方、クライマックスの段落はいくつかに意見が分かれた。それでも、「それではおれが引はぎをしようと恨むまいな。…」の段落を選んだグループが一番多かったので、まあ良かったかな。
 それにしてもこのクラスは反応がいい。これらの作業の間、ずっと和気藹々として取り組んでくれた。私のつまらない冗談にもちゃんと反応してくれる。こういう雰囲気だと何でも受け入れやすくなるだろうね。
 昨日書いた今後の実施計画の7、8時限目だが、マイクロ・ディベートをしたらどうだろうか? 論題は「下人が盗人になったのはやむを得なかった。是か非か?」というものとする。そして、7時限目は肯定側と否定側の意見とそれらへの反駁意見を各自が考え、これをグループで情報交換してシナリオを作り上げる。8時限目は別グループの4人を集め、ジャッジ2人と肯定側1人・否定側1人とし、ローテーションをさせてマイクロ・ディベートを4回させるのだ。マイクロ・ディベートを取り入れることによって、生徒がより一層本文を読み込み、「羅生門」という小説を自分の力で自分なりに読むことができるだろう。