『獣の奏者』を読み直す

 「守り人」シリーズを読み終え、次は何を読もうかと悩んでいる。番外編の『流れ行く者』を探したのだが、図書館にはなかった。あるいは借り出されていた。仕方なく、文庫にある『バルサの食卓』を注文したが、さてどうしようと悩んでいる。結局、『獣の奏者』を再読することにした。今、闘蛇編を読んでいる。エリンの幼い頃、得にジョウンに養われている頃のことを読んで、不思議に心にじんと来ている。思えば、ジョウンに育てられた時が、エリンにとって一番幸せだったのかも知れない。と同時に、これからのエリンの過酷な運命を切り開く、あるいはその運命を呼び起こすいくつかのエリンの力の源がこの時期に養われたのだ、とも気づく。
 読み直してみるのも良いものだ。最初に読んでいた時は速読を心がけていたので、細かい描写の部分は読み飛ばしていたところがあった。
 それでも、エリンの母ソヨンが処刑されるところは目を背けたくなる。最初はそこを読まず、後からやや仕方なく読んだほどだ。この物語が、かなり自分の血肉になりつつある。