『神の守り人』

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

 シリーズの第5・6作、『神の守り人』上・下巻を読み終えた。年越しで読んでいたことになるかな。
 物語世界はますます広がりを見せている。久しぶりに女用心棒のバルサが活躍をする巻である。強大な力を持とうとする人間の性は変わらないものなのだと改めて思わせられた。
 しかし、この物語はまだ先がありそうな気がする。サーダ・タルハマヤを自らのうちに封印したまま、アスラは目覚めぬままだし、シハナもまた逃げたままである。それに、この神的なものを内に宿すという主題は『精霊の守り人』でもそうだし、『虚空の旅人』でも用いられてきたテーマだ。それらはみな一応の解決を見てきたのに、このアスラの場合は未解決である。
 これが、最終話である『天と地の守り人』で結びついてくるのかな? 楽しみなことである。