『神の守り人』
- 作者: 上橋菜穂子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/07/28
- メディア: 文庫
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物語世界はますます広がりを見せている。久しぶりに女用心棒のバルサが活躍をする巻である。強大な力を持とうとする人間の性は変わらないものなのだと改めて思わせられた。
しかし、この物語はまだ先がありそうな気がする。サーダ・タルハマヤを自らのうちに封印したまま、アスラは目覚めぬままだし、シハナもまた逃げたままである。それに、この神的なものを内に宿すという主題は『精霊の守り人』でもそうだし、『虚空の旅人』でも用いられてきたテーマだ。それらはみな一応の解決を見てきたのに、このアスラの場合は未解決である。
これが、最終話である『天と地の守り人』で結びついてくるのかな? 楽しみなことである。