大学入試センター試験第1日目

 センター試験が始まった。天候を非常に心配していたのだが、新潟市は曇り。私は7時30分頃の電車に乗って会場に向かったが、空には晴れ間が出ており、そのうち空が晴れ上がってきて暖かな日差しが差し込んできた。何とも素晴らしいセンター日和である。これなら天候による遅延などという恐れは全くなさそうだ。
 本当はもっと早く出ようと思っていたのだが、会場の外でずっと立ちっぱなしになることを考えて、重装備の服装で臨もうとして準備が遅くなってしまった。私が新潟大学の正門に着いた頃には、もう他の担任団や管理職などはほとんど顔を揃えていた。本校の旗が翻るその場所に赴くまでに、他校やら進学塾やらの教員たちが左右に分かれてずらりと並んでいる中を通っていく。あれは良くないよ。生徒たちはかえって圧迫されて心理的動揺を起こす。
 教師たちが会場に待ちかまえて、通りかかった生徒を呼び止め、やれガンバレだの、チョコレートやら携帯カイロやらを配っている。全く愚かな行為である。憎むべき行為である。一大決戦に臨む時に、そんな訳の分からないことで気持ちを揺り動かさないでくれ、と私は思う。しかし、他の担任団と一緒に渡されたチョコレートを持って並び、そして本校の生徒の顔を見ると、不思議と手招きをして生徒の手の中にあふれるばかりのチョコレートを押しつけている自分がいる。うーーーーーむ。これが担任という人種の性なのでしょうかね。(^_^;)
 私自身は、自分が共通一次を受験した時、やはり担任に会った。会場の雪道を歩いていると、担任がいて軽く会釈をした。声もかけられなかったし、もちろんチョコレートなどもらいもしなかった。しかし、あの時の担任の顔は不思議としっかり覚えている。「ああ、来てくれたんだ、」という思いをやっぱりするんだね。だから、自分の生徒たちが受験するのなら、顔を見せには行ってやりたい。自分が経験した素敵なことは、生徒たちにも経験させてやりたい。それが私の基本的な態度だ。でも、今現在のようにあそこまでエスカレートするとどんなものだろうか。だから私は甲子園の応援が嫌いなんだ。
 ともあれ、けっこう多くの生徒に会うことができた。でも数十人程度かな。我々がいる場所を知らせていなかったし、正門以外の所から入った者も多いのだろう。我々ができるのは、まさにここまで。この会場から一歩先は、まさしく生徒たち自身が道を切り開いていくしかないのだ。多くの生徒たちに声をかけたように、「頑張れ」。その一言である。