「堀河殿、最後の参内」の授業

 4組での授業。前回訳し終えたところだが、この文章全体を理解する要の箇所が含まれているので、その部分を問題にする。
 それは、兼家が兼通の家の前を通り過ぎていったのを兼通が知った時、「あさましくも心憂くおぼゆ」と表現されている、その「あさまし」の箇所である。兼通は何故「あさまし」と思ったのか、ということを考えさせた。
 古語の「あさまし」とは「意外で驚きあきれる」という意味である。したがって何か「意外な」ことがあったはずだ。しかし、この兄弟の仲は日頃から悪かったので、臨終の床についていたとはいえ、兼家が兼通の家の前を通り過ぎていったのは決して「意外」なこととは言えないはずだ。さて、それはなぜか。これを考えさせるのは面白かったなぁ。結局は私が説明をしたが、生徒は理解してくれたものと思う。
 その後は口語訳を次々に進める。まあまあのペースである。残り2時間だということを考えると、もう少し進んでいるべきだったかな。