大鏡の授業

 2組と4組での授業。2組は「浮舟」の最終場面の口語訳を進めた。
 4組では大鏡に入った。「堀河殿、最後の参内」という話である。堀河殿(兼通)と東三条殿(兼家)の仲の悪さの話である。
 この話は大意はつかみやすいだろう。文章もさほど難しくなく、展開もドラマチックで、分かりやすい。そこで、いつものように最初から口語訳していくのではなく、生徒自身でまず概要をつかみ、そこからこの話がどのような話なのかを全体で確認させた上で、口語訳に入っていこうと考えた。
 そこで、またしても『学び合い』の手法を使う。全体のあらすじをまとめたり、東三条殿や頼忠などの人物の官職がどのようになったのかなどを確認させるプリントを作り、これを生徒に配布して、生徒に自由に相手を見つけてプリント課題をやるようにと指示した。その後、ランダムに指名して黒板に出て書かせ、書かれた内容を全員で検討する、というスタイルである。ここしばらく、全てのクラスで、つまり現代文・古典・古典講読というすべての科目でこの方法を試みている。どのクラスも非常に動きがよい。こちらの期待以上の反応を生徒がしてくれたりして、非常に嬉しい。

生徒に指名して、前に出て書かせているところである。
この前で、ある生徒が国語便覧を開いて、当時の官職の段階について調べようとしていた。そして、「この話からすると、東三条殿の官位は下がっているはずなんだよな」と話しているのが聞こえた。これは鋭い読みである。そして、それを便覧などの資料を使って確かめようとしているところが素晴らしい。もちろん、こちらからは何の指示もしていない。15分間の時間を与えて、好きに動いて問題を解決せよ、と指示しただけである。その後は私は教室から出て行ったりした。その間に、生徒たちは自ら相手を見つけて様々に話し合ってプリントに取り組んでいた。これは素晴らしい姿だった。


彼らが書いてくれた解答である。このあと、これを踏まえて当時の官位の段階を説明し、この話が東三条殿の大降格事件だったということを説明した。そして、その実情を明らかにしようとするのがこの話であることも説明した。これで、今回の話の下準備が十分にできたであろう。来週から口語訳だ。