「虚ろなまなざし」の授業

 1組での授業。文章構成図による全体のまとめも3時間目である。それそれまとめに取りかかるべきだが、前回彼らが書いた文章構成図を見ていると、9組より文章でベタに書いている者が多く、構造「図」として理解できていないと思われた。そこで、私自身がこの文章の構成を簡略にまとめたプリントを用意し、それを生徒に埋めさせて構成を確認させる、という展開を思いついたので、実行した。

 これが、今回用意したプリントである。私が彼らに気づいて欲しかったポイントは、前半と後半とがパラレルになっていることである。そこで、それが視覚的に理解できるように、前半と後半のまとめを上下に配置し、さらにそれらが合わさって筆者の主張へつながる、というデザインをした。
 このプリントを15分間ほど個人作業で埋めさせた後、次のように指示した。『学び合い』である。

「前半と後半の部分にまとめた文言を、無作為に指名して、黒板に書き出してもらいます。指名された人は、必ず自分の解答を書くように。
 さあ、自分の解答に自信はありますか? まだ埋まっていないところはどうしますか? 友達はどのようにまとめたのでしょうか?
 8分間の時間を上げますので、自由に席を立って相談したい人のところへ行きなさい。そして、自分の解答を修正するのなら修正しなさい。」

 このように指示した後、自由にさせた。次の写真が、その際の教室の様子である。

 指示を出した瞬間、大半の生徒が動き出し、相談したい相手の席へ動いた。

 ここに写っている生徒の一人は、はるばる一番前から一番後ろに来ている。

 彼らは時々、話をする相手を変えて自分の解答を確認している。

 固定したグループ内で相談をしている者もいる。

 8分後、無作為で指名をした生徒たちに前に出させて、黒板に自分の解答を書かせた。自分の手元にある解答をそのまま書くよう指示したせいか、生徒たちは恥ずかしがることなく、次々と書いていった。


 前半部分の、生徒の板書した解答である。一つの問に対して数名に指名し、複数の解答を板書するようにした。例えば、問題提起の部分は3人の生徒に指名して書かせている。このようにして、いくつかの解答を比較し、妥当な解答へと摺り合わせるためである。
 さて、これらの解答をどう集約するか。私は生徒と対話しながら、アウトラインを確認することを行った。


 生徒に指名しながら、板書された解答のキーワードを指摘させる。それに丸をつけたり、キーワード同士の関連を線で結んだりして、文章の流れを確認していく。前半部分は、生徒の解答では足りない部分があると思われたので、それを付け足したりした。
 このようにして一応全体を説明し終え、最後は私が解答例をつけたプリントを配って終わった。
 これで生徒は全体の流れをある程度理解してくれたかな。次は詳細部分の読解である。