評論文の授業

 1組での授業。「自然の抑止力」の要約文(要旨)をまとめる作業の2回目。
 今日は、先日の授業で提出された8編の要約文に、私が書いたものと教科書の指導書に書いてあるものとを混ぜて載せて、全10編の要約文をプリントにして生徒に配布した。そして、前回のグループでどの要約文が良いと思うか、グループ内で2編を選ぶよう指示した。その2編を選んだ理由も書かせる。そして、グループの代表に選んだ2編の番号と一押しのものの理由とを板書させた。
 結果は、10編中の7編がノミネートされた。なかなか適切な選択である。この「自然の抑止力」という文章は、ミドリヒョウモンというチョウの生態についての実験結果を基に、生物界を支配している法則について推論を進め、さらにそれを機に人間の文明に対する警告を発する、という流れになっている。したがって、文章の趣旨という場合、本文の後半部分をいかに過不足なくまとめるかがポイントである。ノミネートされた7編は、表現の違いこそあれ、そのポイントをちゃんと中に盛り込んでいるものばかりである。生徒の判断力はなかなかのものである。
 後は細かい表現の違いをどのように価値判断するか、である。ちなみに一番人気だったものは生徒の作例だが、2番目に支持を集めたのは私が書いたものだったんだよ。
 その後、今日の授業の目玉第2弾。教科書傍用の問題集より記述式の問題を抜き出し、それをバラバラにして生徒に配布した。生徒には1問か2問くらいが渡されたことになる。問題は全6種類。これをまずは解く。次に同じ問題を配られた者同士で集まり、解答を検討する。次に、その解答をクラス全員に発表して周知させようとした。この狙いは、自分の持っている問題は他の生徒は知らない、ということだ。そこで、他の生徒に迷惑をかけないように、自分がしっかりと取り組んで問題を解かなければならない、ということになる。まあ、同じ問題を持っている者は6名くらいいるので、個人の責任はあまり大きくないのだけれどね。
 残念ながら今日は前半の要約文コンテストに時間がかかり、生徒が配布された問題を解くところまでで終わった。次回は同じ問題を持っている者同士で集まるところから始めよう。そして、最終的にこの文章は創作をさせる方向に向かわせられればいいなぁ。