新学期の始業日である

 いよいよ新しい学期がスタートした。新1年生を迎えて、学校がようやくその姿を整えて、むくりと動き出した、という感じである。学校というのは一種の生命体のようなものだなぁ。まるで自らの意志を持っているかのように、構成員である者たちを自らの伝統に染め上げていく。その生命体である学校が動き出したようだ。
 さて、SHR、大清掃の後、旧HRでのわずかな時間である。生徒カードなどの個人情報書類を生徒に配付する。これを新HRで再び回収して、新体制を整えるわけだ。そして、旧2年7組の生徒たちには、終業式の日の最後のLHRで撮影した写真を配る。今年は少々長めのサイズのもので、なかなかきれいに写っている。新クラスになれば、そちらでの生活が彼らの心を占めていくだろうが、これからの人生の中で時折にでも2年7組での日々を思い出してくれたら、この写真と文集がそのよすがにもなってくれれば、ただありがたいことだ。愛すべき2年7組の38名(残念ながら2名は欠席したが)の生徒たちに別れを告げ、新HRへ移る。
 個人ロッカーを移動させ、新しい教室に移動する。さあ、今日から私は3年1組の担任である。
 3年1組での最初のHRでは、まず副任を紹介する。そして、各種個人情報書類を回収し、次に時間割や選択教室一覧など、新年度を動かし始めるのに必要なプリントを配る。そして、学級通信第1号を配布し、所信表明演説を行う。
 3年生というのは特別な時間である。おそらく、彼らの一生の中で特別な場所を占める、濃密な時間がこれから流れることだろう。その意義を話し、その中で最善を尽くして努力し、挑戦して欲しいことを伝える。そして何より、そのような濃密な時間を過ごす彼らと今年一年一緒にいられる幸福を感謝する。本当に、自分の願いの実現に向けて一心に努力する者とともに時間を過ごすことが出来るのは何という幸福だろう。教師という職業の魅力がここに凝縮されている。
 そして、明日の予定を話し、明日にはクラス役員や体育祭関連の役員を決めることを伝える。この役員決めが3年生にとっては決定的に重要である。私は、クラス役員に関しては教師サイドで主導しつつ、彼らが自主的に立候補してくれる方向へ進めるつもりだ。だが、体育祭関連では彼ら自身に決めさせる。ここは生徒にとっては一種の「聖域」である。教師という権力はいっさい介入して欲しくないだろうし、介入してはならないと思う。生徒を全面的に信頼して、彼らに任そうと思っている。
 そんなことを話しているうちに、文系では私のクラスが一番最後に残ってしまった。急いで彼らをアリーナへ送り出す。

新任式・始業式・入学式

 今日は新任の教員を紹介し、始業式を行い、引き続き午後から入学式を行う。もう行事関係を一挙にやってしまう。
 考えてみると、旧HRで別れをし、新HRで出会いをし、新任式・始業式で様々な話を聞いて、入学式では保護者の受け付け業務を行った。もう朝から目まぐるしく様々な役割をこなしてきたので、本当に目の回る思いだった。こういう時は何か大事なことを落としてしまうんだなぁ。何だろう。
 と思っていたら、明日のLHRで役員を決める際に必要なプリントを用意するのを忘れていた。これは困った。明日の朝早くに準備しなくてはならないな。