大鏡の授業

 6組と8組での授業。この2クラスはほぼ同じ進度で進んでいる。
 「道長の剛胆」という話を読んでいる。T社の教科書では「肝だめし」になっていたなぁ。教科書会社の付けるタイトルって何とかならないのだろうか。更級日記冒頭を「あこがれ」とつけるなど、なかなか良いものもあるのだけれど。
 この話の最初の部分は道長の父兼家が公任に比べて息子たちのふがいなさを嘆くところ。そして、道長が大胆な発言をした後、すぐに現在時点に戻って、公任が娘婿である道長の子どもに頭が上がらないことが述べられる。このあたりは解釈が非常に難しいところだ。主語がはっきりしないのだ。この場合、例によって敬語の程度の差から主語を類推させていく。生徒に、兼家や道長に対する敬語の程度を確認させて、この箇所の「見奉り給はぬよ。」について聞いてみると、ちゃんと「公任」と答えることができた。大したものである。このためには、この箇所の話題では中関白殿や粟田殿は関係ないことを見抜かなければならない。もっとも、内大臣殿が公任の娘婿であり、道長の子どもであることを示してはいるけれどね。生徒の理解の良さに満足できた授業であった。