「更級日記」の授業&「項王の最期」

 6組、7組、8組での授業。
 このうち7組はまだ項王が死んでいなかった。しかも、一番の語りどころである「面」の部分さえも終わっていなかった。たっぷり1時間かけて残りを説明した。ちょうど3限目で、生徒は眠い頃である。ところがこっちはぜひ話をしっかり聞いて考えて欲しいところなので、あれやこれやをやって生徒の目を覚まさせようとする。一人がどうしても目を覚まさないので、しまいには全員に起立をさせ、その生徒一人だけ残らせるということまでする。はい、私は生徒に頭ごなしに「起きろ!」と言うのが嫌なんです。それはある意味では私の授業の敗北でもあると思う。生徒の目を覚まさせていることができないような授業では、眠られてしまっても文句は言えないな、という気持ちがある。もっと生徒を惹き付ける授業をしたいなぁ。そのためには、実は私の語り口ではなくて、生徒自身が活動し考える授業なのだけれどなぁ。
 6組と8組は「更級日記」の冒頭をどんどん口語訳していく。8組では菅原孝標女が「人まにみそかに入りつつ」薬師仏に願をかけていたことの意味を考えさせる。生徒から何とか「恥ずかしかったから」という答えを引き出し、そこから何故「恥ずかしかったのか」を説明する。当時は物語は罪悪視されていたからね。そのことは現在とはまったく違う状況だし、「更級日記」を理解する上で最重要な知識だ。しっかりと理解させたいものだ。