土曜講習

 今年最初の土曜講習である。しかし、新潟市は天気が荒れた。風が強く吹き、雪も舞った。まあ、積もりはしないのだけれど、多少の強風が吹くとすぐに越後線は止まってしまう。今日も何人かの生徒が遅刻してきた。ご苦労さんです。
 さて、私が担当する現代文の講習である。今回の現代文は小説を取り扱う。小説問題の解法について、今回と次回の2回にわたって説明していくつもりだ。といっても、小説問題の解法については今回でほぼ私が話せる内容は話した。次回はこの実践と習熟となろう。
 私が小説問題の解法を生徒に説明する時に、説明するのは以下の4点である。

  1. 小説の一般的なパターンを知る
  2. 小説問題文の特殊性を知る
  3. 小説問題を解くに当たり、線を引くべき箇所を知る
  4. 小説問題を解く際に、根拠となる箇所を複数チェックすることをする

 1番目は、山登りのパターンである。小説を「冒頭部」「展開部」「山場の部」「終結部」に分け、「冒頭部」に登場人物の性格や背景の情報が述べられることを示す。さらに小説とは「主人公がさまざまな事件を通じて心情が変化する物語である」と定義づけ、心情の変化を引き起こすさまざまな要素に注目すべきことを教える。
 2番目は、小説問題文の特殊性である。小説問題の文章は1編の小説の部分に過ぎない。したがって、登場人物についての情報が欠落した文章を読ませられることになる。そこで、作題者はリード文に背景やそれまでのあらすじを書き込むわけである。この箇所に目を留めない法はない。
 3番目は、具体的に読み取りの際に傍線などを引くべき箇所を例示する。主人公は丸で囲み、その主人公に影響を与える人物を四角で囲む。さらに、主人公の性格や背景、心情変化を示唆する箇所に傍線を引き、対抗する人物のそれへは波線を引くようにする。ただし、これはあまり厳密にはできない。2つがきれいに分かれない場合も多々ある。まあ、そうするよう努力する、というところかな。
 4番目は、小説問題の成立条件だと思う。小説とは「作者が言いたいことを隠す文章」である。隠されたものは解釈するしかない。その解釈も、1カ所の根拠だけでこれが正解だと言われてもなかなか納得できないだろう。しかし、2カ所以上の根拠があるならば、その解釈はまあ妥当だといえるはずである。小説問題はそのように複数の根拠をもとにして解答を作り上げている。我々も問題を解くときには1カ所のみで考えるのではなく、2カ所以上の根拠をもとに総合して答えるべきである。
 以上のことをまずはとにかくしゃべりまくり、事前に配布しておいたプリント問題を例題にして線引きの練習をさせ、後は問題解説をした。当然、問題解説は終わりきるはずがない。今回も演舞を解説できずに終わらざるを得なかった。
 まあそれでも多少は手応えを感じることができた。次回は再来週である。もう少し問題解答に踏み込んで説明ができるといいな。