『天空の城ラピュタ』

天空の城ラピュタ [DVD]

天空の城ラピュタ [DVD]

 私が昨年末に、カーステレオに「ラピュタ」のCDを入れていたら、家族みなで「ラピュタを観たい!」ということになり、借りてきたDVDである。
 もう、この映画の素晴らしさについてはどれだけ筆を尽くしても書ききれるものではないだろう。この度改めてこの映画を観て、やはり同じ思いを新たにした。この映画は、数ある宮崎アニメの中でもベスト5に入るものの1つだ。(ちなみに、個人的には他に『風の谷のナウシカ』、『もののけ姫』、『紅の豚』、『耳をすませば』である。『耳すま』は厳密には宮崎アニメではないが、まあ、おまけということで。なお、『未来少年コナン』、『ルパン三世 カリオストロの城』の2作品は別格である。)
 本当に、パズーの男らしさ、シータの可憐さ、二人の純粋さが何度観ても胸にしみる。そして、彼らを包む海賊ドーラ。彼女こそは未来のシータなのだろう。二人ともおさげをしているし、劇中に出てくる若かりし頃のドーラの写真は元気のいいシータの姿である。
 二人は今頃何をしているのだろう。想像をさせてもらうのなら、映画のラストシーンの後、パズーはシータの故郷であるゴンドアの谷に行ったはずだ。そして、ひとたび彼らはそれぞれの地に戻って生活をしたであろう。ここまでの話は作者、宮崎駿氏が何かの折りに書いていたことである。その後、シータは財産を整理してパズーのもとへ行ったのではないだろうか。鉱山街は決して暮らしやすい土地柄ではないが、親方夫婦を初めとする人間関係が若い彼ら二人を支えてくれるのではないだろうか。
 そんな後日譚まで想像させてしまう、それほどに二人の信頼の美しさをまざまざと見せてくれる、素晴らしい映画である。