『iPS細胞』

iPS細胞 世紀の発見が医療を変える (平凡社新書)

iPS細胞 世紀の発見が医療を変える (平凡社新書)

 同僚の生物の先生が机上においておられたので、そして評判の本らしいので、読んでみた。著者は博士課程の院生である。しかし、すでにサイエンスライターとしていくつかの著作を出している。
 生命科学の進展を半分以上の分量を使って振り返り、iPS細胞作成の成功と今後の展望を紹介する、という展開で、非常に分かりやすかった。新しい分野を紹介する手法として、模範となるものである。
 こうした本などの文章を「評論文」として教材にすべきだね。段落のつながりも、文章展開も、非常にすっきりしていて捕らえやすい。評論の読解とはこうした文章ですべきである。教科書に載っている評論文はエッセイである。