源氏物語の授業

 7組での授業。8組と同じく、音読練習の後、プリントを配って読み取りの自学自習をさせた。『学び合い』の実践である。
 7組はどうやら教室に2台付いているエアコンの内の1台が効かなくなっていて、暑い中での作業となった。このクラスは私の担任のクラスでもあるし、また、最初に「何を見ても構わない。自由に席を動いても構わない。」と宣言したせいか、最初から生徒の何人かは席を動いて自分たちでグループを作り、数人で一緒に問題に取り組む姿がいくつか見られた。そのグループの会話を漏れ聞くと、学び合いが成立している様子なのが伺える。まあ、大半の生徒は一人で机に向かって黙々と作業に取り組んでいたり、数人は諦めて寝ていたりしていた。こうした姿が常態となると、もっと学び合いが促進されるのだろうね。
 授業が終わって帰ろうとすると、グループで学習をしていた生徒が2人質問にやってきた。彼女らはもう第4段落の読み取りまで進んでいたらしく、桐壺更衣が身分がそんなに低くないのに、身分が低い者のように見られていたのが分からない、とのことだった。おお、そこまで読んでいたかと驚きを隠しながら、またあまり教えすぎないように注意しながら、帝のお世話をするのは本当に身分の低い者で、桐壺更衣は決してそんなに身分は低くない出自なのに、身分が低い者のように見られてしまったのだから……、などと説明した。そうしたら生徒の一人が「あんまりくっつけすぎたから…」とどんぴしゃりの認識に自分で到達してしまった。いやぁ、大したものだ。そして、こうした認識にひとりでにたどり着かせるのが『学び合い』なのだねぇ。
 『学び合い』をやっている人が、授業中に生徒の発言等でいつも驚かされている、ということを聞いていた。さもありなん、と思っていたが、うらやましいとも思っていた。いやぁ、それがさっそく我がクラスで見られるとは。嬉しい時間でした。