息子の勉強を見る

 今日・明日は先日のソフトテニス大会の振替休日でお休み。本当は仕事がまだまだまだ……たまっていて、家でのんびりなどという状況ではないのだが、ある必要に迫られて午後から家にいる。それは、我が息子の勉強を見てやる、ということのためである。
 我が長男は小学校5年生。普段は妻が彼の勉強を見ているが、彼女の悩みは、息子が勉強ができない!ということである。どこをどう間違えたのか、勉強に関して壊滅的な状況である。いきおい、彼を叱る。私もそんな様子を見ていて叱る。おそらく、様々なことで叱られっぱなしなのが、壊滅的な勉強の原因の一つなのではないかと思う。むろん、彼の性格やらもあろう。しかし、あのように毎日叱られっぱなしでは勉強に対する意欲など湧きはしない。勉強はやらせられるだけの、忌むべき時間でしかない。
 これを何とか良い方向に転換するためには、親がとことん愛情を注ぐことしかないのではないか、と考えた。そこで、私に時間ができたら、彼の勉強にとことん付き合ってやろう、と考えていたのだ。
 今日は振替休日のため、午後はずっと彼の勉強に付き合う、そして、いっぱい教えてやり、いっぱい誉めてやろう、そう決めていた。その第1日目である。
 取り組んだのは学校からの宿題プリント。彼は漢字が苦手である。その漢字がいきなり100問出てくる。今日やったのは四字熟語。表に100個の四字熟語が書いてあり、その読みを書かせる。裏には同じ熟語の読みが書いてあって、漢字を書かせるというものである。先生の手作りかなぁ、大したものだ。
 息子は読みの方はある程度終わっていたので、書きの方をさせる。まず最初は『世界最速「超」記憶法』の方法を応用して、覚えたい漢字を丸で囲ませる。そして裏面の漢字書き取りに挑戦させる。これを3セットくらいやったかな。何も見ずに最初に書いた時よりも書ける漢字の数が2倍くらいになった。しかし、まだまだ100問中20問くらいしか書けない。
 時間も経ってきたので、次は短期記憶を活用する方法に切り替える。まずは表面の漢字の読みを確認させる。いくつか間違えていたので、これをきちんと直させる。そして、一緒に音読する。100個の音読は、最初はめんどくさがっていたが、そのうちリズムに慣れてきたのか、はっきりした声で発音しだした。
 表面の漢字は1行5個×20行という形になっている。そこで、1行だけを取り上げて、その5個の漢字を覚えさせる。形に注意させたり、意味を教えたり、励ましたりして何とか5個を覚えさせ、裏面の書き取り5個分をさせる。字が分からなかったり間違えたりしたら、その都度私が大きく書いて教える。さすがに息子も5個なら十分に対応できる。そして、彼の字はとんでもなく乱暴で読めないものなのだが、きちんと書くと実にきれいな字を書ける。普段はそうする気持ちがないのだ。ところが、こうして教えているうちに、きれいな字体で書き始めるようになった。私は1回、きれいな字で書きな、と言っただけだ。いつもだと何度も何度も嫌みったらしく叱りつけて、それでもきれいな字で書こうとしないのに、今日はいつの間にかきれいな字で書き始めた。もちろん最大限に誉めた。1行ずつ書き上げるたびに誉め続けた。やはり、人間誉められることが好きである。誉められるのならがんばろう、という気持ちになる。
 誉めたり、直したり、教えたり、書き直させたりすること1時間ちょっと。ついに100個全部を書き上げた。いやぁ、素晴らしい! 誉めることの力を再確認した午後だった。
 息子には勉強における成功体験を少し与え続けたい。そのためには今日のように、一緒に勉強に取り組むことが何回か必要だろう。仕事があってなかなか時間がとれないのだが、できる限り息子に寄り添ってみたい。