進路講演会

 午後からは文系向けの進路講演会が行われた。北海道大学経営学部の先生をお招きして、お話をしていただいた。この方は本校のOBである。私の後輩だ。北大に進み、大学院博士課程の途中で滋賀県立大学に行かれ、そして北大に戻られて、今は教授である。
 この方は非常に柔軟性のある、パワフルな方だった。生徒が試験終了直後であることを鑑みて、話のみの講演ではなく、90分間の大半、60分くらいを学習ゲームに充ててくださった。これは素晴らしい選択だと思う。文系というと、勢い話ばかりの無味乾燥な講演になりがちだが、この先生は自分のゼミでも学習ゲームを取り入れているらしく、その一つを行ってくださった。
 行われたものは「漂流脱出」ゲームである。これは私も県立教育センターで行ったことがある。乗っていた船が沈没し、救命ボートに乗っているという想定で、10個の持ち物をサバイバルに役立つ順に順位付けする、というものである。私はこれを、実践発表者から教えてもらい、自分でも実践した。これは話が盛り上がるのである。私は話し合い活動の一環としてこれを行ったが、今回はまず個人での順位付けとグループでの順位付けの正確さを比較し、組織の意志決定が個人の意志決定に勝ることを確認しようとしたものだ。これはまさに起業の経営理論に直結する。なるほどねと思った。生徒も大いに盛り上がり、誰も眠り込む者はなく、非常に充実した90分間を過ごせた。
 さらに素晴らしいのが、北大の宣伝を、90分が終わった後で希望者だけを残して行ったことだ。生徒も30名くらいが残ってくれ、大変充実した会となった。北大の紹介だけでなく、経済学・経営学というものがどのようなことを学ぶ学問なのかということを良く理解させてくれた。これは生徒に分かりやすかったはずだ。質疑応答も非常にフレンドリーで、生徒からは次々に質問が出て、有意義な時間を過ごせた。1時間くらいかかったかな。でも、時間の経過を感じさせない講演会・紹介だった。今までに1,2を争う素晴らしいものだった。