青陵祭

 本日は青陵祭である。今年は雨にたたられた昨年とは違い、天候に恵まれた。多少、朝方雨が降ったようだし、日中も怪しげな雲が空を覆ったりはしたが、ともかくも晴天の多い1日であった。青陵祭実施には何の問題も無し。ただ、やはり寒かった。もうとにかく寒い。風が強いのだね。浜風が容赦なく体温を奪っていく。それに、さほど気温も上がらないので、ますます寒くなる。本当に心底寒かった。それを予想して、冬物まで引っ張り出して寒さ対策をしていたのだが、私の用意した対策の最高レベル一歩手前まで服を着込んで観戦していた。それでも寒かった。ここまで身体が冷えると、招集の役割のため日向に出てもちっとも身体が温まらない。いや、ただただ寒かった。
 競技は滞りなく進んだ。朝方、女子の足刈りの競技中に地震があった。グランド全体がゆらりゆらりとゆっくり揺れるようだった。かなり揺れる時間は長かった。まあ、我々はその程度ですんだが、岩手県宮城県は大変そうである。
 3分応援はなかなか楽しかった。私にとっては、何となく3分応援の方が楽しめる。あの替え歌の歌詞がどうにも恥ずかしくて聞いていられないのだが、それでも3分間の中で良く工夫をしている。
 連合創造は、もちろん生徒は一生懸命がんばっているし、それぞれに見るべきものはある。だが、何かが足りない。そして、ストーリー性を重視してきて良いのだが、そのパターンがほとんどすべて同じ。毎回、水戸黄門を見せられているようなものだ。生徒は少しの違いを出そうと躍起になっているが、どうしてもっと根本的なところからドラスティックな変化を企図しないのかな。正直言って、実につまらなかった。
 毎回思うのだけれど、どうして最初から連合のメンバー全員がグランドに出ていなくてはならないのだろう? ストーリー性とは役柄がはっきりしてこそ、その意味がよく分かる。だが、100人くらいの人間が整然と並んで、最初から踊りを踊るという形態を取る限り、ストーリー性と明確に出すのはきわめて難しいと思う。場面転換がはっきりしないのだ。いや、場面転換がないと言っても良いだろう。どうしてメンバーをいくつかのグループに分け、それが場面に応じて出入りする、という形を考えることができないのだろう?
 また、ストーリーがあまりにも固定しているのもいただけない。善と悪の対決というのは分かりやすいし、とてもいいと思う。だけれど、それが何らかの要因で仲直りし、最後は大団円でハッピーな踊りを全員で踊る、というパターンをほとんどすべての連合が取り入れている。そんなに簡単に世界に平和は来ない。ちょっと安易すぎる。その中では、緑色の連合が、かぐや姫と地球の男性が何かを隔てて別れ別れになる、という場面で終わったのは非常に良かった。ストーリー的にはこの連合創造が最も見るべきものがあった。惜しむらくは、全員が最初からグランドに出ているために、それまで何をやっているのかよく分からなかったことだ。
 何かこう、最後にほのぼのとした気持にさせるものとか、絶望の中に未来への小さな希望を見つけるというようなエンディングが良いんじゃないかな。そして観衆に小さな感動を呼び起こすような。数年前にはそうしたエンディングを取り入れた連合があった。あれは良かったな。
 さて、来年は我々の学年が指揮を執る。私が理想とするような連合創造を、彼らに伝えられるかな。でも、生徒自身が作り上げるのが青陵祭の良さだからね。難しいところである。