加藤周一の授業

 現代文では加藤周一の文章を取り上げる。「夕陽妄語」からのものである。「ある少女の眼」という題だ。一種の生命論、人生論、生死観である。2年生の現代文の初めに、まずこんな文章を読ませるのはいいだろうと思う。そして、加藤周一の随筆を読ませるのも意義がある。
 3組での授業。まずは5分間読書から始める。昨年からの続きのせいか、今年初の時間のせいか、おそらく生徒は本をあまり持ってこないだろうと考え、読書の記録をつけさせる。案の定、4分の1くらいの生徒が本を持ってこない。ある者は、今朝のSHRで配布された県立図書館からのPRパンフレットを読んでいた。はっきり言って怒り心頭である。時々、このように読書記録をつけさせることにより、彼らの意識改革をはかりたい。
 次に、「ある少女の眼」を音読する。そして、今回の目玉作業である、文章の「事実」の部分、「推論」の部分、「主張」の部分を分ける、という作業に入る。「事実」の部分を赤マーカーで、「推論」の部分を別の色のマーカーで塗りつぶさせて、「主張」の部分を浮き出させるようにするのだ。まずは個人作業でさせ、次に隣同士で作業結果を確認し合わせ、全体で確認する。こうした作業は、まず文章のどこに何が書いてあるかを判別させる訓練である。すぐにできるわけではない。これも練習が必要だ。時折組み入れていこう。