金沢に来ております

 眠い目をこすり、朝の白山駅を出発して新潟駅から北越2号に乗り、今日は金沢市に来ております。明日までの2日間の出張です。
 北信越地区学校図書館研究大会というのが毎年この時期に行われる。昨年は富山市であった。今年は金沢市である。その研究大会に、新潟県の高校から3名の実践発表者の依頼があった。他の2名は高教研図書館部会の司書の方々が行ってくださるのだが、残り1人を……、ということで私が行くことになった。
 発表のテーマは今年の4月から続けている現代文の授業始5分間読書と3回目を迎えた読書レポートについてである。これらの読書指導の実践を通して生徒の読書意識に変化を与えようとするものである。夏の新潟県高教研図書館部会で発表した内容と同じものだ。まあ、そちらは図書館活用が一応のテーマになっているが、今回は読書指導がテーマである。発表は明日なので、今晩もう一度おさらいをしておこう。
 今日は金沢市立夕日寺小学校という会場で、研究授業の参観と開会式、全国SLAの報告などに参加した。この夕日寺小学校というのは数年前に新築された校舎で、オープンタイプの教室とパソコンコーナーを備えた図書館を持っている。パソコンコーナーといってもPCが数台ある程度ではなく、普通のパソコンルームと同じ規模である。つまり、図書館とパソコンルームが一体化しているのだ。これこそはあるべき理想的な図書館の姿である。図書館もPCルームも、どちらも調べ学習に使おうとする際にはシームレスにつながっている必要がある。PC教室と図書館とが離れているような状態では、何か調べさせようとする学習は展開しづらいし、よって発想しにくい。その点、この小学校は理想的な形態をしている。
 惜しむらくは、研究授業自体は大変意欲的で面白かったのだけれど、その後の研究大会ではせっかくの夕日寺小学校の実践が報告されなかったことだ。この小学校では学校図書館を活用した授業を研究テーマとして、この1年間の授業を行っているようだ。どうせならそのことについて発表して欲しかった。研究授業の後では開会式やら全国SLAの報告などがあった。しかし正直言って、教育長やらのありがたいお話しや全国SLAの報告などより、夕日寺小学校の研究の概要について聞きたかった。
 まあ、全国SLAの報告はある点は参考になったけれどね。学校図書館に整備される図書の購入費用が国から交付金として支出されているのだが、それが自治体の一般財源として交付されるので、自治体はその使い道について自由裁量なのだそうな。したがって、財政が逼迫している自治体は本を買うために交付された予算を丸々学校に渡してはいないという。うーん、謎である。日本という国は図書館に対する考え方が恐ろしく発展途上である。