竹取物語の授業

 1組と4組での授業。1組は1コマ目、4組は2コマ目。どちらも快調に進む。この勢いだと、特に1組と9組は2コマ目でほとんど訳し終えてしまうのではないだろうか。
 というわけで、今日はその次の展開をひねり出す。翁の、かぐや姫に対する対応から、翁の思いを読み取ろうというものだ。
 そうして考えていたが、古典の授業というのはやはりこのためにあるのではないかと思う。文法事項を理解して正確に口語訳できる、というのは確かに大事である。何しろそれができなければ古典が読めないからね。でも、本来はそのようにして古典を読めた後で、何故このように書いてあるのかと徹底的に追求することが必要なのではないか。
 例えば、竹取の翁は何故かぐや姫を高貴な貴族の姫のようにして育てたのか、また、何故男たちを呼び集めて、かぐや姫が結婚できるようになったことを知らしめたのか。おそらくそれらはすべて、翁のかぐや姫に対する純粋な愛情に基づいていると考えられる。純朴な、子に対する親の愛情である。そのために、その当時の常識の範囲内で考えられる限り、できるかぎりの愛情を翁はこの神異の姫に注いだのではないか。
 そう考えると、『ツバサ』に似たところがないかな。神異であることはまだ十分明らかになってはいないが、不思議な力を発揮するサクラ姫に対する小狼の愛情は、翁の愛情と似たものがあるような気がする。そんな例を生徒に探させようか。